トラック輸送事業者にとって離島や長距離の輸送に欠かせないフェリーだが、新型コロナウイルスの感染拡大が続く中でも、フェリー各社は感染防止対策を取りながら運航を維持し続けている。
「新日本海フェリー」は、乗船前の検温は現時点で実施しておらず、乗船者からの自己申告や異常が見られた場合に乗船を断るなどの対応を取っている。新型コロナウイルスによる影響は、主に旅客で発生。3月の乗船者数が前年同月の6割程度に落ち込んでおり、5月以降も落ち込みが懸念される。
船内での対応としては、レストランでのカフェテリア形式での営業を中止し、注文を受けて料理を提供する形式に変更。船内グリルも席数制限を実施している。また、ビデオルームやサウナなど一定時間不特定多数が利用する船内施設を閉鎖している。
乗船予約の取消・変更については、5月6日までの出発便を対象とし、手数料を無料にしている。
「商船三井フェリー」では、全乗船者を対象に乗船前の体温検査を実施している。現時点では、検査によって乗船を断ったケースは発生していない。利用者数への影響は主に旅客で減少しており、貨物輸送への影響は少ないもようだ。
乗船予約の取消・変更については、5月6日出航分までの予約について、取消料無料で払い戻しに対応している。
＜さんふらわあでの乗船前体温測定・健康チェック＞
「フェリーさんふらわあ」は、全乗船者の体温測定と健康チェックを実施。また、船内売店の営業や弁当の販売、船内レストランの営業を休止しているほか、船内パブリックスペースの一部を閉鎖している。
乗船予約の取消・変更については、5月20日までの出発便とそれに伴う復路便の予約で、キャンセル料・振込手数料なしでキャンセルに対応している。
「太平洋フェリー」は、乗船者すべてを対象に乗船前の検温を実施している。また、カラオケボックスやゲームコーナー、マッサージ機などの利用を一時停止しているほか、食事の提供方式をバイキングスタイルから乗組員からの手渡しに変更している。
乗船予約の取消・変更については、5月10日乗船分までの予約キャンセル料を無料で対応している。
「オーシャン東九フェリー」では、乗船港受付時に全乗船者への体温測定を実施している。また、4月9～24日の間、東京と新門司からの出発便で旅客の引き受けを停止。既に予約済みの場合はキャンセル扱いとする。
「名門大洋フェリー」は、乗船港ターミナル内の測定場所で、全乗船者を対象に乗船前の体温測定を実施している。また、ゲームコーナーなどの船内パブリックスペースを閉鎖しているほか、船内レストランの営業形式をバイキング形式から弁当形に変更している。
乗船予約の取消・変更については、5月6日出発便までを対象に手数料・振込手数料なしで対応している。
「阪九フェリー」では、全乗船者を対象とし、各乗船港で乗船前の体温測定を実施。予約の取消については、5月6日までを対象に取消手数料無しで対応している。
「宮崎カーフェリー」は、全乗船者の体温測定と健康チェックを実施。船内レストランでは、夕食のバイキング営業を中止し、弁当類の販売に切り替えている。また、乗船予約の取消・変更については、3月3日～5月6日乗船分 と、それに伴う復路便を対象に、手数料無しで取消・返金に対応している。
