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地域経済活性化支援機構/宮崎カーフェリーを再生支援

2017年11月21日/SCM・経営

地域経済活性化支援機構は11月20日、宮崎カーフェリーと宮崎船舶について再生支援の決定を発表した。

日本カーフェリー株式会社設立以降、長距離カーフェリー事業者として長年の歴史を有し、宮崎県の農水産品を県外へ輸送するための重要な役割を担っており、一定の収益を上げ、宮崎県の地元経済にとって有用な経営資源を有している。

120名を超える従業員を雇用(グループ全体では150名超)しており、地域雇用の受け皿として重要な役割を担っていることから、機構が再生支援対象事業者の再生を支援することは、地域経済の活性化のみならず、雇用の確保に資するものといえ、支援意義が認められると考える。

機構は、事業再生計画の策定を支援するとともに、債権者、出融資者、再生支援対象事業者の関係者間の利害調整を公正・中立的な立場から実施することによって、円滑な事業再生を目指す。

機構は、出資1億円(出資割合8.7%)と経営人材の派遣を予定している。

宮崎カーフェリーの前身であるマリンエキスプレス(旧シーコムフェリー、以下:マリンエキスプレス)は、1992年から93年にかけて、債権者から資金を調達して同時期に二隻のカーフェリー事業用船舶を建造し、自らが営む航路に就航させたが、需要が予測を下回り、結果的に過大な債務を負った。

マリンエキスプレスは、船舶のほか、保有船舶を活用して複数の航路でカーフェリー事業を運営してきたが、度重なる燃料油価格の高騰等を受けて経営が悪化したため、京浜航路等の不採算航路を廃止した上、新たに設立された宮崎カーフェリーに残存航路に係る事業を譲り渡すことによりその事業の存続を図った。

事業譲渡に際して、マリンエキスプレスが負っていた債務を引き継ぎ、経営改善に取り組みながら返済を継続してきましたが、現在も債務超過は解消されず、今後の事業の継続・発展に必要不可欠な新船建造(リプ
4レイス)等の投資のための資金調達がままならない窮境に陥っており、財務状態抜本的な改善が不可欠な状況にある。

以上の状況を踏まえ、出融資者と債権者と協議の上で、機構に対し再生支援の申込みにいたった。

事業再生計画では、カーフェリー事業運営会社である宮崎カーフェリーは、会社分割の方法により新会社に対して同事業を承継させ、船舶保有会社である宮崎船舶は、船舶二隻を新会社に譲渡する。

新会社では、運賃の適正化、稼働率の改善、システム導入による生産性向上、ガバナンス体制の強化、同業他社との業務提携を進める。

第二会社方式による手法を用い、宮崎カーフェリーは新会社に対し、会社分割によって事業を承継させ承継対価を取得し、宮崎船舶は、債権者の共有持分全てを債権者から譲り受けて単独所有とした後、新会社に船舶二隻を譲渡して船舶譲渡対価を取得する。

宮崎カーフェリーと宮崎船舶は、それぞれ承継対価と船舶譲渡対価を主な原資として債権者に対し弁済を行い、その後、債権者より金融支援を受けることを予定している。

なお、再生支援対象事業者と連名で再生支援の申込みをしているのは、宮崎銀行、宮崎太陽銀行、宮崎県信用農業協同組合連合会、日本政策投資銀行、宮崎ひなた、独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構。

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