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四国の物流機能維持/人口減少、ウィズ・コロナ下、3つの提言

2020年07月07日/調査・統計

日本政策投資銀行はこのほど「人口減少下における四国の物流の現状と課題」とタイトルしたレポートを発表した。

一部抜粋してその概要を見ると、四国地域は他の地域に先駆けて人口減少や少子高齢化が進んでいるとし、トラック運転手の人出不足が切迫しており、長距離運送や過疎地域での物流機能の維持が危惧されているとしている。

このレポートでは、人口減少かつウィズ・アフターコロナという厳しい環境下において、四国地域の物流のサステナビリティ(持続可能性)を維持するために、レジリエント(強靭)な物流機能を構築する必要性について取りまとめている。

第4章が結論となるが、四国の物流を維持するために求められる機能として3つの「提言」がなされている。

<全国の共同物流の流れの四国地域への取り組み>
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提言1では、「全国の共同物流・標準化の流れを四国地域に取り込む」としている。

これは、F-LINEや大王製紙の共同物流の取り組みに代表されるように、全国で進む共同物流の取り組み主体は全国クラスの大手荷主企業と大手トラック事業者。四国に全国で進む共同物流の流れを取り込むためには、まずは四国域外との物流の窓口の役割を担う第1層が、全国的な共同物流・標準化プロジェクトに参画することが重要だとしている。

<四国発の経営効率改善に向けた業種横断的な取り組み(模式図)>
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提言2では、「四国地域発の経営高率改善に向けた業種横断的な取り組み」として、3つの機能を挙げている。それは、四国地域における業種の枠を超えた共同物流の推進の必要性。次に構造的な観点からマッチングを行うB2Bプラットフォーム機能、さらに、B2C物流のシェアリングサービス機能が必要としている。

<人口減少下及びウィズ・アフターコロナにおける目指すべき姿>
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提言3では、四国地域での革新的な物流イノベーションの実現として、積極的に自動運転やドローンなどロジスティクス・イノベーションの活用を図る必要があるとしている。

また、四国地域の物流における規制緩和の推進が必要ともいう。例えば、自家用トラック(白ナンバー)の活用や貨客混載の運用拡大を実現するために、貨物自動車運送事業者法の改正等が必要になるとしている。

なお、レポートの第1章では、四国の物流の動態分析として、どこからどこに何がどのように運ばれているのかを調査している。

第2章では、四国のトラック運送事業の取引構造として、誰から仕事を受けているのかを明らかにしようとしている。これも同様に、地域間物流、地域内物流、四国におけるトラック運送事業者間の取引の階層構造を探っている。

第3章では、四国のトラック運送事業の経営課題の分析として、DBJアンケート調査を行った。物流事業者918社、荷主企業280社にアンケートを送付し、有効回答者数は物流事業者247社、荷主企業94社だった。インタビューも独自で行っている。

■人口減少下における四国の物流の現状と課題(全文)
https://www.dbj.jp/upload/investigate/docs/956b019158975c298517aef4cd2cba28.pdf

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