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景気動向/運輸・倉庫は2か月連続プラスも全業界で最低水準

2020年09月03日/調査・統計

帝国データバンクは9月3日、「TDB景気動向調査(全国)8月調査」の結果を発表した。

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それによると、8月の景気DIは3か月連続で前月比プラス(0.6 ポイント)の29.7となった。国内景気は緩やかに持ち直しがみられたが、わずかな回復にとどまった。今後の景気は、個人消費の持ち直しが期待されるが、横ばい傾向で推移すると見込んでいる。

「運輸・倉庫」のDI値は前月比1.2ポイント増加し、25.4となった。2か月連続でプラスとなったものの、5月以降の景気DIは10業界中で最低水準となっている。

一般貨物自動車運送は、ECなど宅配貨物の増加傾向もあり2か月連続でプラスも、自動車など製造業を中心に荷動きが依然として弱いとの声が挙げられた。

バス・タクシーなどの旅客自動車運送を担う企業では、宿泊業等観光関連企業と同様に持ち直しの動きに弱さがみられる。

景況感に関する企業の声としては、現状について「巣ごもり需要の影響で家電の受注が対前年比2割増加(一般貨物自動車運送)」「緊急事態宣言の解除にともない、わずかながら回復してきてはいる(こん包)」とプラスの意見が聞かれる一方、「輸出の荷動きが非常に悪い(運送取次)」「観光客向けの商材の動きがまだ悪い。輸出向けの製品も、新型コロナウイルスの流行前の状態に戻っていない(冷蔵倉庫)」と、依然として景況感の悪化を挙げる声が多い。

先行きについても同様で、「個人向けの配送が今後も増加傾向にあると見込まれる(一般貨物自動車運送)」「大手自動車製造の生産台数が持ち直し傾向にある(一般貨物自動車運送)」という声がある一方で、「新型コロナウイルスの影響がしばらく続くと予想(沿海貨物海運)」「自動車素材としての特殊鋼製品の生産の戻りが、リーマン・ショック時以上に長くかかるものと思われる(特定貨物自動車運送)」「景気回復のタイミングが不透明、回復までの期間が長引きそう(普通倉庫)」「今年度はほぼ貨物取扱いが減ったままで回復は難しいと想定する(港湾運送)」と、不安視する声が多くを占めた。

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