EC物流/日立物流・佐川GL、物流拠点自動化で従量課金制度拡大

2020年09月03日 

EC物流は、多品種小ロット、小口出荷、需要変動に対して自由に対応できる物流拠点の運営が理想だが、1社で人材、設備をそろえて効率的運用を行うのは困難で、小規模なEC業者等にとってはなおさらだ。

一方で、EC物流を専門に取り扱う物流拠点が増加し、様々な商品分野に精通した大手物流企業が、EC物流のプラットフォームとして最新鋭のEC専用物流センターを整備し、多くのEC業者を囲い込むビジネスが急拡大している。そのポイントが従量課金制度だ。

日立物流は昨年、埼玉県春日部市にEC物流をシェアリングする最先端の「ECプラットフォームセンター」をオープンした。

複数のEC事業者で最新鋭設備、物流システム、スペース、マンパワーをシェアリングする従量課金型を採用した新しいコンセプト(スマートウェアハウス)の物流センター。

<入庫と保管、ピッキングでAGV(EVE)を利用>
入庫と保管、ピッキングでAGV(EVE)を利用

同社が準備したアセット、システム、マンパワー、空間を顧客に利用してもらうものだ。約6600m2の面積の内、作業自動化スペースに約3960m2、保管スペースに約2640m2を割いている。

<自動製函機>
自動製函機

センターでは、入庫から、在庫、製函、ピッキング、自動投入、緩衝材投入、封函、ロゴ印字、送り状、手動検品・梱包の工程を行うことができ、全行程の自動化率は約72%にもなっている。

さらに、画像検品システムプロジェクションピッキングの開発・研究を進め、チラシや納品書投入、緩衝材投入も随時自動化していく予定で、一企業ではできない高レベルまでEC物流の高品質化を進めている。

この結果、EC業者にとって、固定費がかからず従量課金による変動費だけで、一企業ではできない高レベルなEC物流に気軽に参加できるシステムとしている。

対象企業は、1日の出荷量が100件~1000件あたりがターゲットで、少なくとも10数社以上のEC事業者でシェアリングする考えだ。

同社では、「このシェアリングは自動化・省人化により、顧客にとっては波動に対応でき、固定費がかからないという大きなメリットがあり、将来的に複数拠点化を目指したい」という。

EC物流向けシェアリング自動倉庫「スマートウエアハウス」として商品化し、「初期費用ゼロ、固定費ゼロ、従量課金型」を掲げ、社員10人未満の企業から、大規模ECモールまで対応し、楽天市場、amazon.co.jp、yahooショッピングなどの国内の主要プラットフォームに対応してしている。

ことし5月にはスマートウエアハウスのWebサイトをリニューアルし、センターの各自動化設備の特長・利便性をダイレクトに理解できるコーナーを設け、利用している顧客事例の紹介し、顧客が抱える課題のヒントをより見つけやすいサイトにリニューアルしている。

■スマートウエアハウスのWebサイト(日立物流)
https://www.hitachi-transportsystem.com/jp/swh

佐川グローバルロジスティクス(佐川GL)は昨年12月、埼玉県蓮田市に「蓮田ECプラットフォーム」稼働した。

新拠点では、1日あたりの出荷量が数百件程度の中小EC事業者を対象に、ロボティクスによる高効率・高品質のEC物流サービスを従量課金制で提供する。

<佐川GL蓮田営業所に導入したGeek社製のAGV>
佐川GL蓮田営業所に導入したGeek社製のAGV

<ゲートアソートシステム>
ゲートアソートシステム

<移動式商品棚>
移動式商品棚

2640m2のスペースに6か所の作業場と、Geek社製のAGV「EVE500」32台、移動式の商品棚574台を導入し、商品が入った棚をAGVが作業者の元まで搬送し、作業者がモニターの指示で商品を出し入れする「歩かない・考えない」ピッキングと棚入れを実現。

人が歩いて棚まで商品を取りにいく従来方式と比較して、人員を約半分に削減したほか、生産性も3倍に向上。また、ゲートアソートシステム(GAS)の導入で作業内容を標準化したことでミスを削減し、サービス品質の向上も図った。

サービスを利用することで、顧客はより少ない費用と準備期間でECセンターを立ち上げることができ、高い生産性を生かして即日配送など配送サービスの多様化や、販売チャネルの拡大、越境ECへの対応などが可能になる。

蓮田ECプラットフォームでは、最大30~40社程度のEC物流を受託可能だ。

ことし5月には、東京都江東区で建設中の大型物流センター「X(エックス)フロンティア」内にECプラットフォームを開設し、この2拠点での実績をもとに全国へ展開する。

<ギーク+のEVE>
ギーク+のEVE

<ピッキングした商品を梱包エリアに運ぶOTTO>
ピッキングした商品を梱包エリアに運ぶOTTO

Xフロンティアでは、スペースを蓮田の3倍の規模にし、ギーク+の自動搬送ロボットEVEは計42台と、アルテックの長距離自律走行できる自動搬送ロボット「OTTO」14台を導入した。

さらに、イタリア製自動梱包機も導入し、オートストアも導入予定だ。

これらにより、夜11時頃にスマホで注文した商品データは、即ピッキング、梱包・出荷し、朝5時ごろの朝便により各営業所に届き、午前中には顧客の自宅に届く「お急ぎ便」も可能だという。

一連の自動化により、自動化しなかった場合の従業員数はおよそ5割程度にまで省人化できたという。

■ECプラットフォームサービス
https://www.sagawa-logi.com/logistics/3pl/platform/index.html

■蓮田ECプラットフォーム
https://www.sagawa-logi.com/logistics/3pl/platform/hasuda/index.html

■Xフロンティア
http://www.sg-hldgs.co.jp/x-frontier/index_nostream.html

なお、LNEWSとインプレスは11月12日、5回目となる「EC物流フォーラム2020」をネットで開催する。

<EC物流フォーラム2019の模様>
EC物流フォーラム2019の模様

EC、物流、小売・製造・調達・流通・販売・物流といった分野で、各企業が持つ強みやソリューションを具体的に紹介する場として講演、展示の協賛企業を募っている。

前回は、パルコ、ビームスホールディングス、フェリシモ、スクロール360、三菱商事、プロロジス、トラスコ中山、など様々な観点からEC物流の最新情報、課題、提案を発表し、事前登録者666人、実来場者408人が集結した。

来場者は、EC・小売業・物流企業を中心に、10%強が経営者クラス、役職者は専門職を含め74.9%と決定権者が揃っている。

今年は、新型コロナウイルスにより、様々な変化が業界・業態・企業別に発生しており、外出自粛の影響を受けて、EC率が一段と高まっている。

大型化・高精度化する物流インフラに対して、いかなるDX・IoT・AI・MHの活用、ラストワンマイル対策、幅広い視点でEC物流に関する最新情報と課題、改善、将来を探る。

■EC物流フォーラム2020開催概要
日時:2020年11月12日(火)9:30~18:00(受付9:00~)
会場:都内配信会場
主催:ロジスティクス・パートナー・LNEWS、流通ニュース
共催:インプレス
聴講料:無料(事前登録制)※事前登録募集は9月以降を予定
来場者数:400名想定(同時開催展計:2500名予定)
来場者対象:製造業・小売業・卸売業の経営企画、生産管理、システム部門、ロジスティクス部門、SCM部門、輸出入部門、物流子会社、3PL、倉庫、運送会社、行政、自治体、コンサルタント、研究者他
同時開催:ネットショップ担当者フォーラム、Web担当者Forumミーティング

注:ライブ配信の申し込みは、受け付けていません。

■協賛のメリット
・受講者データの提供:セミナー登録者、受講者の情報は、会期一週間後に事前登録時のアンケート情報とともにデジタルデータで納品する。
(個人情報のオプトインを取得した情報で、フォーラム終了後の営業活動)

・講演の準備:集客から講演までを事務局がトータルに運営しサポート。

・無料登録者募集は、主催:ロジスティックス・パートナーと共催:インプレスと共同で、各社が保有するメディアやデータベースを用いDM、メール配信などで開催告知を行う。

※なお、現在は上記協賛企業の募集のみを受付けており、無料登録者申込み(無料)の受付は、9月以降のLNEWSで案内する予定。

■EC物流フォーラム2019開催概要
https://academy.impress.co.jp/event/201911eclogi/

■EC物流フォーラム2019のイベント記事
https://www.lnews.jp/2019/11/l1130001.html

■問い合わせ
ロジスティクス・パートナー
担当:永田
https://www.lnews.jp/contact/

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