センコーグループの物流戦略

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センコーグループの拡大が止まらない。業界を驚かせた、ランテック、東京納品代行のグループ加入に始まり、最近ではUACJ物流の子会社化等、物流手段の手足を伸ばし続けている。さらに、目立つのがライフサポート事業の拡大だ。保育所、老人ホーム、フィットネスクラブ等を次々に傘下に収め、今年2月にはホテル事業も始めた。今年で17年目の長期政権となる福田泰久社長は「まだまだ続きます。来年3月までにも数社、新たに加わることになると思います」と語る。新型コロナウイルスの影響により、2021年3月期第2四半期決算の売り上げは微減ながら、6月以降は復調傾向だ。事業の多角化が功を奏したともいえるが、近い将来には1兆円企業を目指すという同社が進む今後の方向性を伺った。 
取材:10月30日 於:センコーGHD潮見本社

<センコーGHD潮見本社>
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<立川物流センター>
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<軽貨物車両>
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4~5月の落ち込みは尋常じゃなかった

―― 11月6日に決算発表です。

福田 新型コロナウイルスによる4月から5月にかけての落ち込みは尋常じゃなかった。私も入社以来、これほどひどい状況はありませんでした。リーマンショック並みになると言われていたのが、それを超え、どんどん拡大していきましたからね。リーマンショックとは比べ物にならないほどひどかったですね。ファッション関連や、住宅関連、ケミカル関連、学校給食・外食産業向けの冷凍冷蔵食品の物量などが大きく減少しました。

―― 上期は大変な状況だったと。

福田 ところが6月ごろから盛り返してきました。会計処理の関係などもあり、売上高はまだ減少が続きましたが、利益は増加基調に転じました。大きかったのが、徹底的なコスト削減や生産性向上でしたね。前年からコスト半減と掛け声を掛けたところ、なんと前年の4分1程度にまで落ちました。これは大きかったですね。幹部をはじめ、社員全員が危機感を感じて積極的に推進したことで、コストセーブを図り生産効率を大きく伸ばしてくれました。第2四半期の、売上高、営業利益ともそう大きくは落ち込まず、何とか踏みとどまると思います。

―― どのような生産性向上を図ったのでしょう。

福田 一例を挙げれば、ある現場では、これまで3台のトラックである程度余裕をもってやってきた業務を2台の車で運用するなど、それぞれがさまざまな創意工夫をして頑張ってくれました。

―― 教育されていますね。

福田 私は基本的なことしか言っていませんよ。実際やるのは現場ですから、それぞれの幹部・従業員が本当に良くやってくれたと思っています。

―― 今回の新型コロナウイルスによる影響では、観光、飲食業、ホテル等、多くの業界が打撃を受けていますね。

福田 見ていると、人を扱う業種が大きな影響を受けています。モノを扱う業種はそれに比べればまだ軽いようです。弊社でも、この2月に東京でホテルをオープンしましたが、東京オリンピック需要もあり、貸し切り状態だったのが、すべてキャンセルですからね。オープン後は、毎月大幅な赤字でした。通常の状況なら、毎月利益が発生していたわけですから確実に大幅増益になっていたはずです。現在は、ホテルの方も相当客足が戻ってきてはいますね。

―― 物流面での影響は。

福田 落ち込んでいるのは船や航空機、鉄道でしょう。トラックについてはそうは落ちてないのでは。確かに貿易面では荷物の量が減っているようですが、国内の小口貨物については増えていますからね。宅配便も好調と聞いています。弊社もケミカル製品や住宅の輸送を行っていますが、これら重厚長大型の輸送は確かに落ち込んでいます。逆に小売り関係やドラッグストア等の物流は好調です。減るところもあれば増えるところもあり、という感じですね。

―― 幅広く運営されてきたことが功を奏したと。

福田 そうですね。以前のように住宅やケミカル関係を中心とした貨物運送だとしたら、おそらく大変なことになっていましたね。最近では、都市部を中心に軽貨物運送を増やしています。東京ではこの7月にラストワンマイル協同組合に加入し、関西でも今月加盟しました。現在1000台の軽貨物車を配備していますが、毎年1000台程度増やしていく予定です。

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