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センコーグループの物流戦略

2020年11月30日/物流最前線

<福田社長の写真>
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<クレフィール湖東>
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<キャリ太郎>
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ドライバー不足に外国人を活用へ

―― さて、現在ドライバーの高齢化と新規採用の難しさが大きな問題になっていますが、どのように対処すればよいのでしょうか。

福田 まさに、物流事業の根幹を揺るがす事態ですね。弊社のドライバーの平均年齢は40代半ばです。65歳が定年ですが、元気な方には継続してやってもらっています。定年制を廃止することも検討中です。

―― 若い人材が数多くドライバーになるということはないのでしょうか。

福田 今は難しいかも知れませんね。私が入社した1969年当時、大卒初任給が3万円のところ、東京~大阪の長距離ドライバーの給与が12万円でした。実に4倍の格差です。今なら、初任給25万円に対して、100万円という数字になります。ですから、長距離ドライバーはみんなから畏敬の念で見られていました。実際、私の同期の中からも長距離ドライバーに転職したものがいましたからね。私も、滋賀の営業所勤務時代に大型からトレイラー、リフト、クレーン、危険物取扱者主任等ありとあらゆる免許を取得しました。これは、転職したいというよりも、何かやろうと思ったら免許が必要なことが多かったからです。

―― トレイラーの免許までお持ちとは。

福田 当時トレイラーに乗るドライバーは非常に尊敬されていました。そこで私も受験したのですが、さすがに難しい。先に大型免許を取ってから7回目の受験でようやく合格できました。実際に、大阪~東京間を業務でも走行しましたからね。

―― 本社から来た社員がそこまでやるとは。

福田 それからは現場で一目置かれるというか、ドライバーとの関係では信頼感でつながりましたね。でも、今の時代、それ相応の給与を出さないと業務のきついドライバーになりたいという若者は少ないでしょう。

―― そうすると無人ロボット運行のトラックですか。

福田 いや、無人トラックの実現は当分無理でしょう。高速道路の1車線をトラック専用にして無人運転はできるでしょうが、街中での走行はまだ無理です。W連結トラックや隊列走行が先でしょう。トヨタのように1つの街づくりから始めれば設計次第では無人トラックも可能だと思います。

―― 海外からのドライバー募集などはいろいろ規制がありますね。

福田 海外からのドライバーを受け入れることが最も現実的であり合理的だと私はずっと主張しています。日本には技能実習生の制度がありますが、まだドライバーは認められていません。早期に海外からのドライバーを受入れる体制を構築して欲しいものです。課題が多いのはわかっています。しかし、ドライバー不足は喫緊の課題です。政府やトラック協会にも最近、海外からのドライバー採用について前向きな動きが出始めており、期待しています。ある政治家も私の話を聞きたいということで、今度会社を訪ねてくるようです。

―― トラックだけでなく、あらゆる物流分野でロボット化や自動化が加速しています。

福田 ドローンなんかは、山間部や離島での物資輸送には良いと思います。物流センターの自動化は今後もますます進むでしょうね。弊社でも最近開設したセンターに自動倉庫型ピッキングシステムを入れています。ピッキングなどは人が何人いても足らない状況ですから、自動化の流れは止まることはないと思います。

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