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センコーグループの物流戦略

2020年11月30日/物流最前線

<ドイツの現地法人の入居するビル>
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「トラックの数が足りない」がM&Aの発端

―― さて、物流を超える事業展開と共に、基幹事業であるトラック部門でのM&Aも活発です。

福田 M&Aを始めたのは古く、私が30代の頃でした。本社勤務から現場に出してほしいと訴えて滋賀の営業所に勤めている頃です。当時、その営業所では1日1000台程度のトラックを動かしていました。ところが、需要がどんどん増し、協力会社にお願いしても中々トラックが確保できない状況になってきました。そこで発想を変えて、協力会社にグループに加わってもらえば問題は解決すると単純に考えました。500台規模の会社を買収すればよいわけですからね。その時は何社かの内、1社だけがこちらの提案を受け入れてくれました。本格的になったのは、私がその後本社の自動車運送事業の責任者となってからですね。

―― そして、全国に事業所を展開し始めました。

福田 責任者となってから、全国47都道府県に事業所を作りたいと考えました。そのためには、地元の物流企業にグループに入ってもらうのが一番効率的だと考えて、次々とM&Aを始めたわけです。ですので、最初はトラックの数が足らないから、全国に拠点を作るという流れでM&Aを行ってきたわけです。社長に就任してからもより積極的に進めています。

―― ランテックや東京納品代行の時は驚きました。

福田 ランテックは当時の社長が私の大学の先輩だったこともあり、話はスムーズにまとまりました。東京納品代行の時は銀行からの紹介で、当時の社長に会ったときに、「一度センコーのことをよくみてもらって、良いと思ったら入ってください」と言ったところ、その言葉が気に入ったと言われて即断されましたね。

―― 今後も続きますか。

福田 まだまだ続きますよ。先日発表したUACJ物流が12月1日に加入予定ですし、来年の3月までには、さらにさまざまな会社が複数、グループに入る予定です。また、すべてを買収するわけではなく、一部出資するとか、形態はさまざまになると思います。

―― タイに冷凍設備を持つ倉庫を作り、ドイツに現地法人を設立する等、海外でもこのところ積極的な展開ですね。

福田 海外ではインドと中国、インドネシアなどにこれから力を入れていきたい。インドはなかなか難しく、日系物流企業も苦戦していると聞いています。ですので、インドでの足掛かりとして現地企業と合弁会社を作るつもりです。出資比率にはこだわっていません。また、欧州でもよい会社があれば、実現していきたいですね。

―― M&Aによる拡大は続くということですね。

福田 2010年に掲げた方針である「世界を動かす」に少しでも近づきたいですからね。M&Aだけではなく、資本参加、業務提携等さまざまな形態で世界に着実に足場を広げていければと考えています。今の所手つかずですが、ニーズの高いアフリカもいずれやらなければならない地域だと思っています。

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