村田製作所は2月19日、イタリア現地法人のMurata ID Solutionsが、バイエル薬品の物流拠点間のサプライチェーンをRFIDで可視化するシステムについて、イタリア物流協会Assologisticaの「ロジスティクス・オブ・ザ・イヤー2020」を受賞したと発表した。
Murata ID Solutionsがバイエルに提供したシステムは、バイエルの物流拠点にある全ての製品梱包箱と配送パレットにRFIDタグを貼り付け、各物流倉庫に届いた荷物のタグから専用のハンディーリーダーで情報を読み取ることで、村田製作所の「id-Bridge」ミドルウェアアプリケーションを経由して、サプライチェーン上の関係者が流通状況をリアルタイムで把握できるようにしたもの。
配送状況をリアルタイムに可視化したことで、入出荷時の検品作業や棚卸などの物流管理業務を迅速かつ効率的に行えるようにしたほか、ブロックチェーンを活用したことで製品のセキュリティとサービスの向上を実現した。
バイエルとは2019年に同システムの実証実験を行い、2020年後半にシステムの稼働を開始。これにより、年間1000万個以上のRFIDタグデータによってバイエルの在庫の管理精度を向上させ、物流時の紛失、指示ミス、配送遅延による年間約50万ユーロの損失を改善している。