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三菱重工ほか/物流機器の自律化・知能化ソリューション公開

2021年03月09日/IT・機器

三菱重工業と三菱ロジスネクストは3月9日、特設オンラインサイト
「Logisnext エキスポ in オンラインショールーム」で、三菱重工が掲げる、物流機器の自律化・知能化ソリューションコンセプト「ΣSynX(シグマシンクス)」を特設オンラインサイトで公開すると発表した。

< AGF コンセプト機「SynX-Vehicle」イメージ>
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<Powered by ΣSynX のイメージ>
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オンラインサイト「Logisnext エキスポ in オンラインショールーム」は3月9日から4月30日まで開設、入場招待制となっている。

ΣSynX は、「Σ=総和」「Syn=同調・協調」「X=未来」をそれぞれ表した、三菱重工グループ製品全体を自律化・知能化するソリューションコンセプトで、三菱重工 ICT ソリューション本部を中心に研究開発が行われている。

ΣSynX のコンセプトには、AI(人工知能)や機械学習を用いた自律化・知能化が急ピッチで進む現代においてもなお、社会の中心は今後も人であり続けることを前提に「人を中心とし、人と協調できる技術を開発する」といった想いが込められている。

ΣSynX は、「予測計画」「遠隔制御」「人機協調」「システムプラットフォーム」「検証評価」「遠隔保守」といったコア技術から構成されている。物流機器への適用例として、「予測計画」については複数の AGF(Automated Guided Forklift:自動運転フォークリフト)や AGV(Automated Guided Vehicle:無人搬送車)を効率的に差配する群制御などの行動計画技術、「人機協調」については人や物を検知し回避する技術や人と機械がコミュニケーションを取るための非言語ヒューマンインターフェース技術などが挙げられる。

ΣSynX のコア技術は、それぞれ個別のパッケージ群「SynX-Suite」としてモジュール展開を計画しており、これらの技術パッケージを“Powered by ΣSynX”としてさまざまな物流機器に適用することで、物流現場にフレキシブルに調和できる高い生産性・安全性を備えた物流ソリューションとして提供することが可能となるもの。

このうち、ΣSynX を適用したAGFである新コンセプト機「SynX-Vehicle」は、三菱ロジスネクストのフォークリフトをベース車両とし、倉庫保管量と荷さばき量の最大化を狙い、車体をパレット幅まで小型化することで棚間通路を最小化できるとともに、車両の安定性向上や新たな旋回方法を備えることで高速化を実現した。

さらに、AGF のパネル面にて表情・感情を表現し、交差点で道を譲るなど周囲の作業者とコミュニケーションを取ることで、倉庫全体の生産性や安全性の向上を図ることもできる。

三菱重工と三菱ロジスネクストは、ΣSynX コンセプトに基づく AGF を共同で開発している。これらの研究開発は、2019年に兵庫県高砂市の総合研究所内に新設した物流実験センターで行われており、同センターは、顧客ニーズを正確に捉えられるよう、課題解決策を現場・現物で検討できる30m四方の倉庫エリアを有している。新AGFコンセプト機は、これまで同センターに来訪した顧客の要望から生まれたアイデアが反映されたもの。

今後、新AGFコンセプト機で検証される群制御・人との協調・遠隔監視などといった技術は、順次、三菱ロジスネクストのレーザーAGFに適用されていく予定。三菱重工グループは引き続き総合力を結集・駆使し、アジャイル開発により、開発途中の仕様変更などにも柔軟に対応しつつ、顧客の課題解決に直結するソリューションをタイムリーに提供していくとしている。

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