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汗のかけるプラットフォーマー登場
物流業界の「真のサードパーティー」になる

2022年12月08日/物流最前線

ph6 - 物流最前線/ロジテック トップインタビュー

物流の人手不足は「非常に深刻」

――  国内では人口減少が進み、どこの業界でも人手不足に陥る可能性があるかと思います。さまざまな業界に人材を提供している御社から見て、物流業界の人手不足はどう映っていますか。

川村  非常に深刻ですね。人手不足を招いているポイントを一つ挙げるとすれば、賃金の低さが絶対に関係していると思っています。ドライバーさんであっても庫内作業者の方でも、問題はそこだと思います。コロナ禍が始まった2020年の話ですが、飲食業界の休業の影響によって多くのスタッフさんが物流領域に流入した時期がありました。ですが、あの時の層は今はもうほとんど物流に残っていません。つまりは時給の差が大きかったのだと思います。物流は事業構造の性質上、「中抜き」が存在しているのも事実で、結果として賃金も低くなってしまいがちです。ですから、私たちが仕事を請け負う際にはなるべく上流で受注し、各専門業者さんを横並びの関係にすることで、少しでも利益を還元できるようにしていきたいと思っています。

――  派遣業界も人手不足は深刻ですよね。人材を集めるのが大変なのでは。

川村  おっしゃる通り、派遣業界でも人材を集めるのは本当に大変です。登録から紹介までのスピード感をとにかく早くして、就業前の辞退者を一人でも減らす工夫をしなければなりません。また、中間管理コストを低減し、高い所で賃金水準を安定させることで就業者の定着を図るとともに、就業後は以降の仕事を継続的に紹介していく。人手不足を解消するためには、こうした取り組みを行っています。

――  物流業の募集に対して、スタッフさんからの反響はいかがですか。

川村   物流の人手が不足しているのは事実ですが、一方で物流の仕事が好きという方も多く、そのような方々に支えて頂いているなと感じています。ですので、やはりそういった方々を大切にして、また次のお仕事にも入っていただけるようにしています。

今はちょうど12月の繁忙期なので最も人が必要な時期ですが、年が明けた1~2月頃は閑散期に入り、需給バランスが逆転して仕事を紹介しづらくなります。スタッフさんはこの間も仕事を受けたいわけですが、どうしても紹介できる仕事がないといった場合もあります。こうした場合に、どうやってその方々の雇用を継続させるかが、人を繋ぎとめるためには大切です。

それには、まず取引先の絶対数を増やして、繁閑の波をなるべく平らにすること。あとは仕事が無い時期ができたとしても、その先の仕事を事前に確約することで、スタッフさんに安心感を持って頂くことです。昔の単発バイトでは就業希望を出しても 「明日は(仕事が)ないよ」といったことがよくありましたが、こうしたことがスタッフさんの不安につながるだけでなく、雇用を安定させられなかったことで派遣法の規制強化につながりました。ですから、仕事を安定して提供することでスタッフさんに安心して働いて頂ける環境をつくることを一番大切にしていますね。

――  川村さんが物流業の方とお取引されてきた中で、人手不足以外にも気になったことはありますか。

川村  業者間での連携が必須である一方で、意外と横のつながりが希薄であるということをとても感じます。元請会社さんごとの系列や、地域・業界単位での組合的な一体感は必要だと思いますが、その方式だと限定された範囲でしか案件情報が共有されません。それだとそのグループに属していない会社さんに仕事の機会は回ってこないですし、雇用や作業のミスマッチに繋がっていると見ています。そこを新サービスのロジパレによって企業と企業をつなぐことができれば、こうした課題の解決に繋がると思っています。

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