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汗のかけるプラットフォーマー登場
物流業界の「真のサードパーティー」になる

2022年12月08日/物流最前線

ph7 - 物流最前線/ロジテック トップインタビュー

物流業界にとって「真のサードパーティー」に

――  新サービス「ロジパレ」について、今後の展望をお願いします。

川村  ロジパレであれば、あらゆるマッチングモデルが実現可能だと考えています。具体的には年明け2月から荷物とスペースのマッチングモデルをサービスインする予定です。ほかにも輸配送や作業人員、資材に至るまで「ロジパレに頼めば何とかしてくれる」というようなプラットフォーマーになっていきたいですね。

――  既存のアウトソーシング業務も拡大していかれるかと思います。御社では港湾エリアを中心に自社倉庫をお持ちですが、こちらも今後は拡大していく予定なのでしょうか。

川村  もちろんです。今は倉庫が品川区の勝島と大田区の平和島、江東区の各所、あとは千葉の稲毛の合計7拠点を構えています。港や空港の周辺にリソースを集中させた拠点配置です。もっと内陸部に拠点を置かないのかとお思いでしょうが、そこにはバイトレの取引先の倉庫が沢山あります。ですので、自社リソースは湾岸エリア、それ以外はパートナー会社さんのアセットを有効活用しようというのが現在の拠点配置になった理由です。港や空港から至近の立地を生かした国際物流商材の獲得にもつながります。

――  具体的には、どの程度の規模感で自社倉庫を拡大していく計画なのですか。

川村  直近で2拠点以上の開設が決定しています。場所は東京湾の周辺ですね。既存の倉庫が手狭になっている場所がいくつかあるので、既存倉庫の増床も並行して行っていきます。今の倉庫が延床約5000坪ですので、これを1万坪に近づけるというのが次の目標です。

――  倍増するわけですね。

川村  そうです。最初は200~300坪からのスタートでしたが、その手狭さが理由で大きい案件を取りこぼし、悔しい思いを結構してきたものですから。

――  中部や関西にも顧客がいらっしゃると思いますが、首都圏以外に自社倉庫を構える計画は。

川村  もちろんあります。バイトレでは東名阪をメインに事業所を36拠点展開しており、東京エリアが売り上げの中心になっています。そのため、現在は自社倉庫が東京に集中していますが、東京以外のエリアでもニーズが高まっていますので、近い将来には拠点展開を広げていきたいと考えています。

具体的に顧客倉庫内でのインハウス請負案件が複数立ち上がっており、そのクライアントが別案件獲得に向けて既存案件の外出しを検討している状態です。倉庫会社をご紹介して、作業部門はバイトレと協力請負会社が、リソース情報の提供と案件オペレーションはロジテックが担うという、混在した状態のまさに「ロジパレ」でやろうとしている取り組みが、すでにアナログモデルとして各地で始まっています。

――  御社のアウトソーシング業務では、ロボットも活用していますね。ロボットは今後も活用していく方針なのですか。

川村  そうですね、現在は大井倉庫でプラスオートメーションさんからご提供頂いている自動仕分けロボット「t-Sort」が稼働しています。倉庫業務はオートメーション化できる部分とアナログに依存しなければならない部分があると思いますので、土日や夜間、大ロット等、人手だけでは捌けない部分をロボットに手伝ってもらうなど、単純な省人化ではなく人とロボットの共存を目指していきたいと考えています。やはりそこは人材会社由来の企業であるという矜持を持っていたいですね。

――  LNEWSの読者へメッセージを。

川村  先ほども申し上げた話ですが、やはり「汗をかけるプラットフォーマー」でありたい。これが我々の一番お伝えしたいことです。つなぎ合わせてビジネス機会を創出する。これが私達が一番できることだと思っています。同業他社がやらないような作業履行まで、一緒に責任を持ってやらせていただきますと、ここが一番の違いだということはお伝えしたいです。

それと、3PLという言葉の定義についても少しお話したいのですが、私は最初、3PLというものを本来の意味で理解していませんでした。3PL事業者のほとんどが運送会社さんか倉庫会社さん由来ですが、むしろ彼らは物流業界の当事者です。なのに、なぜサードパーティーと呼ばれているのかがずっと分かりませんでした。

今ではメーカーさんにとっての第三者だということは理解しています。確かにそうかもしれませんが、物流を取り巻く現在の環境を考えると、今はその第三者と呼ばれている方々が当事者化していると私は思っていて、当事者化してしまったことで生まれなかったマッチングだとか新しい技術や発見が遅れてしまっているのではないかと。雇用のミスマッチもそうですし、業界内でのさまざまな苦しい状況ができるのではないかということを感じました。

であれば、全くの第三者、当社は人材業をルーツに持つ企業ですので、物流業界の外にいる本当の意味での第三者である我々なら、本当の意味でのサードパーティーになれるのではないかと思ったのです。倉庫やトラックといったリソースをお持ちの3PL事業者さんがたくさんいらっしゃいますが、人材も自社で提供できる会社は多分まだないと思っています。それがロジテックであり、マッチングプラットフォームとしてやらせていただくのが「ロジパレ」なのだと、そのようにご認識をいただければ幸いです。

――  人材業ではなく、御社もまた物流業界の一部ということですね。

川村  はい、そのつもりです。ぜひ当社も業界の仲間に入れてください。

(取材・執筆 齋藤 康之)

<「ロジパレ」サービスサイト>
https://logipalette.jp/

ph8 - 物流最前線/ロジテック トップインタビュー

■プロフィール
ロジテック
代表取締役
川村 将臣

2002年に上智大学 外国語学部卒業後、綜合キャリアグループ(現キャムコムグループ)へ入社。2010年にバイトレを設立し、同社代表取締役を務める。2021年にロジテックを設立し、同社代表取締役に就任(現職)。趣味はゴルフとショッピング、カフェ巡りで、休日には社員と一緒に楽しむことも。

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