日本郵船は7月12日、九州電力、日本郵船、伊藤忠エネクス及び西部ガス（4社）が設立した合弁会社 KEYS Bunkering West Japan（KEYS）が、三菱重工業下関造船所江浦工場で建造中のLNGバンカリング船の命名・進水式典を行ったと発表した。
＜進水したKEYS Azalea＞
＜KEYS AzaleaのLNGバンカリング稼働予定地域＞
この船はKEYSが本社を置く福岡県北九州市の市花であるツツジにちなみKEYS Azalea（キーズ アザレア）と命名された。
この船は2024年3月に竣工後、九州・瀬戸内地域の各港に寄港する外航船舶向けのLNGバンカリング事業、およびLNG内航輸送事業に従事する。九州から瀬戸内までの広域を対象とした船舶向けLNG燃料供給は日本で初めての取り組み。
LNGは従来の船舶燃料である重油と比べて、硫黄酸化物（SOx）については約100％、窒素酸化物（NOx）については約80％、二酸化炭素（CO2）については約30％の排出削減が見込まれている。船舶燃料の脱炭素化に向けてのブリッジソリューションとして期待されており、4社及びKEYSは日本のLNGバンカリング事業をリードし、カーボンニュートラル社会の実現に向けた温室効果ガス排出量低減に貢献していくとしている。
この船は、国内のLNGバンカリング船としては初めて、主発電機関にLNGと重油の両方を燃料として使用できるデュアルフューエルエンジンを搭載。LNGを主燃料とし、運転時に排出されるSOｘ、NOx、ＣO2を削減できる優れた環境性能を備えている。
■概要
全長：82.4m
全幅：18.2m
喫水：4.8m
総トン数：約4850ｔ
ＬＮＧ積載容量：3500m3
推進システム：電気推進（LNGと重油のデュアルフューエルエンジン）
竣工予定時期：2024年3月
造船：三菱造船
