ヤマタネは9月4日、日本総合研究所と、「農産物の環境面・社会面の付加価値可視化の共同研究に関する協定書」を締結したと発表した。
共同研究では農産物の有する環境面・社会面におけるさまざまな付加価値を可視化(スコア化)し、需要家・消費者に伝達する手法の構築に向けて、共同で実証を行っていく。
実証では、ヤマタネの取り扱うコメを対象に、環境面では温室効果ガス削減や生物多様性保全などの取り組み、社会面では地域の社会・経済への貢献などについて、それぞれ可視化する手法を構築する。また、そうした付加価値の可視化が消費者の購買行動に与える影響について分析する。コメの環境面・社会面における付加価値の可視化に関して、両社がそれぞれ蓄積した知見を活かし、共同で実証を開始していく。
実証項目は、「農業生産者の温室効果ガス削減や生物多様性保全などの環境面での取り組みや、地域の社会・経済への貢献 などを可視化する手法の構築」、 「付加価値の可視化が消費者の購買行動に与える影響の分析」、「活動成果の発信」。
なお、近年、世界的にSDGsへの取り組みの要請が高まる中、水田発生メタンの削減や、農地の国土保全機能など、農業においても環境配慮や社会貢献に対する注目度が高まっている。現在進められている食料・農業・農村基本法の見直しにおいても環境や社会が重要なテーマとして議論されている。一方で、農業生産者の取り組みによる環境や社会への貢献が需要家や消費者から十分に評価されているとは言い難く、それらの取り組み拡大や持続性の阻害要因の一つとなっている。日本の農業の経営面、環境面、社会面における持続性を確保し、社会目標を実現するためには、「環境や社会に貢献することが収益に繋がる農業の仕組み」を構築することが不可欠と考えている。