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パル、アッカ、Exotec/DPL平塚にEC物流センター開設

2024年04月04日/物流施設

パル、アッカ・インターナショナル、Exotec Nihonは4月3日、DPL平塚(神奈川県平塚市)内に開設したパルのECサイト「PAL CLOSET(パルクローゼット)」の物流拠点「PAL CLOSET Robotics Solution Center」を公開した。

<新拠点が入居しているDPL平塚>
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パルは、アパレル・雑貨の企画製造⼩売を手がけ、店舗とECを通して「CIAOPANIC TYPY」、「3COINS」、「russet」など50以上のブランドを展開している。

新拠点は、事業の成長をけん引するECの出荷能力増強を目的として、EC業務を委託しているアッカ・インターナショナルおよび、同拠点に導入した倉庫ロボティクスソリューション「Skypod」システムを提供するExotec Nihonとの協働により、大和ハウス工業が運営する物流施設「DPL平塚」の3階・1万500m2を賃借して開設。

従来、複数の拠点に分散していたECの物流機能を移転統合し、SkypodシステムによってGTP(Goods To Person)型のピッキングを可能にしたことで、属人化していたピッキング機能を効率化し、今後の事業拡大に耐えうる出荷体制を構築した。

<Skypodシステム>

新拠点に導入したSkypodシステムは、倉庫の天井高に合わせた高さ5mの保管棚と、約50台の搬送ロボット、5基のピッキングステーションで構成。保管棚には約2万5000個のコンテナが格納されており、顧客からオーダーが入るとロボットが商品の入ったコンテナをピッキング作業者のもとへと搬送する。

従来の拠点では商品のピッキングを全て手作業で行っていたが、PAL CLOSETでは年間の売上高が10年前の10倍となる200億円に拡大しており、作業員の確保が課題になっていた。また、今後は2028年の売上高500億円を目標にしており、事業の急成長に伴い出荷機能がボトルネックになっていたことから、新拠点によってECフルフィルメントの効率化を図った。

新拠点では、保管棚の高層化によって従来比3倍の保管密度を実現。また、ロボットによるピッキングの効率化で3倍の注文処理を可能にしている。

また、Skypodシステムをアッカ・インターナショナルが提供するWMS(倉庫管理システム)「ONE」および、OMS(ECデータ管理システム)「ALIS」と接続することで、1つのシステムでECの個配送と店舗向け配送の同時処理を実現した。

<左から アッカ・インターナショナルの秀 洋一 社長、大和ハウス工業 東京本店 建築事業部の村上 泰規 事業部長、パルの堀田 覚 専務、Exotec Nihonの立脇 竜 社長>
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新拠点の開設にあわせて開かれた会見では、パル、アッカ・インターナショナル、Exotec Nihon、大和ハウス工業が登壇。

パルの堀田 覚 専務は「ECは売上高の約半分を占める成長ドライバー。先進の物流ソリューションを備えた新拠点の稼働で物流業務を効率化し、さらなる顧客満足度の向上を図っていく。今後は入出庫のさらなる効率化に向けて、Skypodシステムの増強を近く予定しているほか、梱包などの作業についても機械化を検討し、さらなる効率向上を図っていく」と、EC物流強化への展望を語った。

アッカ・インターナショナルの秀 洋一 社長は「広い床面積と高い天井高に着目し、これらの条件を生かせるロボットとしてSkypodシステムの導入を提案した。天井高をフルに活用することで床面積を極小化し、賃料を大幅に下げることで高い経済効率を実現できる。また、ロボットによる処理能力の向上で、労働者不足や荷待ちによるトラックドライバーの待機時間短縮にも寄与することができる」と、Skypodシステムの導入経緯や優位性を説明した。

Exotec Nihonの立脇 竜 社長は「SkypodはEC市場が発達して以降に開発したシステムのため、他社のロボットよりも高度なECやオムニチャネルへの対応が可能だ。従来のGTPシステムがある程度オーダーがたまった時点で処理するのに対して、注文が入ってすぐに処理へ移行するため高速でピッキングを行うことができる。Skypodは物流をコストではなく、他社との差別化要因とし、事業成長の要に据える多くの優良企業に採用されている。パルに採用されたことは、Skypodが唯一無二の倉庫ロボティクス・ソリューションとして日本の物流業界でさらに認知された証だ」と語った。

大和ハウス工業 東京本店 建築事業部の村上 泰規 事業部長は「DPL平塚は、関東全域の交通の要衝かつ、首都圏の玄関口に位置しており、無駄のないネットワークを構築できる。また、すべてのトラックバースにHacobuのバース予約システムを採用しており、トラック待機時間の短縮に寄与できるほか、建物への免震構造の採用、託児所の併設、コンビニエンスストアや商業施設に近接した立地など、ソフト・ハードの両面でパルの持続可能な物流を支援していく」と述べた。

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