デジタルアダプションプラットフォーム(DAP)のメーカーであるWalkMeは10月9日、NIPPON EXPRESSホールディングス(NXHD)において、グローバル調達プロセスの標準化に向けて、「WalkMe」を導入したと発表した。
「WalkMe」のクラウドベースのDAPは、組織のデジタルフリクションを軽減し、業務アプリケーションの活用状況を可視化し、最適化する。これにより、スムーズな運用と効果的なチェンジマネジメントが可能になり、DXを加速させ、デジタル投資対効果を最大化する。「WalkMe」独自の特許取得技術によるコードフリープラットフォームは、経営者やビジネスリーダーが目指すデータドリブン経営を加速し、従業員や顧客のユーザーエクスペリエンス、生産性、効率を実現する。また、DX推進部門・IT部門によるDX支援活動の超効率化を可能にする。
NXHDは、経営プラットフォーム高度化の推進施策のひとつとして、SAP Aribaを活用したグループ・グローバルでの請求書払いに関するプロセス・ルールの標準化及び、ガバナンス強化を進めている。その一環として、グローバル調達プロセスの標準化を推進するために、WalkMeを採用し、国内59社へのSAP Aribaの導入をわずか5.5か月で完了した。
この導入プロジェクトは、「Fit to Standard」の方針に基づき、短期間で業務プロセスの標準化とシステムの統一を実現し、効果的なチェンジマネジメントにより、各社へのトレーニングなしでユーザーが迅速に新システムに適応できる環境を整えた。これにより、トレーニングやヘルプデスク等に係るサポートコストの大幅削減に成功している。
SAP Aribaの導入において、操作ガイダンスや各種Tipsの提供が実現され、ユーザーがシステムの使用方法を直感的に学び、導入期間中もスムーズに業務を遂行できる環境が整った。また、S/4会計要件(SAP S/4HANAにおける企業の財務会計機能の要件)に基づくデータの入力確認がノーコードで実装され、従来のプログラミングを必要としない環境で効率的にチェック機能を構築。これにより、開発工数が大幅に削減され、プロジェクトは迅速かつ効率的に進行した。 また、このアプローチにより、開発者やIT部門の負担が軽減され、ビジネス部門も含めたユーザー自身が容易にプロセスを調整・最適化できる環境が提供された。その結果、プロジェクト全体のコスト削減と進行スピードの向上が実現した。
この国内での成功を基に、NXHDは2025年1月から海外グループ会社約60社への段階的な展開を予定しており、「WalkMe」の活用によりグローバルでの調達プロセスのさらなる効率化を目指している。今後は、プロセスマイニングと「WalkMe」の操作ログを連携させることで、業務プロセスの改善点を把握し、さらに「WalkMe」の活用を拡大していく予定だ。また、問い合わせ管理システムを活用して保守業務の最適化を図り、業務の自動化とDXの加速を目指す。
これらの取り組みによって、NXHDグループ全体でのESG対策やサステナビリティ経営の強化、グローバル市場での競争力向上が期待されている。