トリイアンドカンパニーは12月3日、グループ会社である鳥居工務店の新規事業として、西三河地域で初めてとなる木造の定温倉庫を建設したと発表した。
安城市は農業が盛んな地域であり、水稲は年間9230トンの生産量を誇る。しかし近年、安城地域での米の保管場所が不足しており、ピーク時には遠方まで運ぶケースが増えてきている。そのため西三河エリアでのサプライチェーンにおいて、合理化を図る必要があった。
加えて、近年の温暖化によるコールドチェーンの需要増とともに、低い温度帯を維持できる定温倉庫のニーズが高まっている。そこで、85年に渡って建設事業に取り組んできた鳥居工務店が、西三河地域での新たな物流拠点となる米の「木造エシカル定温倉庫」を、安城市和泉町に建設したもの。
「木造エシカル定温倉庫」の特徴の一つが、高気密・高断熱性だ。独自に持つ高気密・高断熱技術により、真夏の高温や湿度、冬季の乾燥など外部要因に左右されることのない、品質を担保した保管が可能。また、消費する電力を最小限にして稼働させられることから、ランニングコストを抑えて保管できる。
また、ムラのない温度管理がある。従来の定温倉庫が高出力で大きなエアコンを各部屋に1~数台ほど配置しているものである一方、この倉庫は低出力で小さい家庭用ルームエアコンを複数台設置している。そのため庫内に温度の偏りが生じにくく、ムラのない温度管理を行うことができる。
さらに、故障時の品質低下のリスクが低い特徴もある。倉庫は複数のルームエアコンが導入されているため、故障などにより特定のエアコンが稼働しなくなった場合でも他のエアコンが庫内の空調管理を補完し、故障時に生じる品質劣化のリスクを最小限に抑えられる。
なお、11月28日に倉庫の完成イベントを開催し、倉庫や物流事業に関する説明、稼働中倉庫の見学、さらにグループ会社であるトリイアンドカンパニーがブランディングを担うコミュニティデザイン事業のパネル展示を行った。
■概要
所在:愛知県安城市和泉町大北13-1
収容面積:約1000m2
建物構造:木造平屋建て
竣工:2024年11月
入庫可能時期:2024年12月
定温温度:10~25℃
容量:1800トン、3万俵
許可番号:一般貨物自動車運送事業・貨物利用運送事業 中運自貨第368号事業者番号:560004901