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TDB景気動向調査/運輸・倉庫が2か月ぶりに改善 都市再開発が波及

2024年12月04日/調査・統計

帝国データバンク(TDB)は12月4日、2024年11月調査のTDB景気動向調査(全国)を発表した。

<全国の景気DI>
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それによると、2024年11月の景気DIは前月比0.1ポイント増の44.4となり、小幅ながら2か月ぶりに改善した。国内景気は、復旧工事などがプラスとなった一方で、耐久消費財の不調なども響き、わずかな改善にとどまった。今後は個人消費の動向が最も重要なポイントとなるなか、底堅く推移していくと見込まれる。

<業界別の景気DI>
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業界別の「運輸・倉庫」では、1.2ポイント増で2か月ぶりに改善。「建設」による工事関連や都市再開発などが好材料となり、運輸関連にも波及した形だ。加えて、インバウンド需要ほか季節需要の動き出しもプラスに働いた。

その一方で、「時間外労働の規制による影響もあり、物価高騰のなか価格転嫁もできていない。物流量も減少している」(一般貨物自動車運送)、「中国の景気低迷の影響で輸出・輸入の荷動きが鈍調」(運送取次)といった声が見られ、改善している現状を実感できていない様子もある。

先行きについての企業の声では、「米トランプ次期政権の政策による影響が読めない」(港湾運送)や「コンテナの取扱個数が前年比100%を割り込む状況が続く」(集配利用運送)といった声に加え、「物価の高騰により貨物量が振るわない状況が続くほか、ドライバー不足には拍車がかかり、人材の争奪戦が激化すると考える」(一般貨物自動車運送)という後ろ向きな意見が多く見られた。

今後は、個人消費の動向が最も重要なポイントとなり、冬季賞与など実質賃金の継続的な上昇が消費意欲の持続に直結する。さらに、金利や為替レート、株価、税制の見直しなども注視する必要があろう。

プラス要因としては、観光産業の伸長や人手不足に対応する設備投資の拡大、リスキリングの浸透が労働市場の効率性を向上させる可能性がある。さらに生成AIの普及や半導体の需要拡大による技術革新は成長のけん引役となる。

一方マイナス要因では、物流コストの上昇やインフレの進行が企業の収益を圧迫し、消費者の購買意欲を削ぐ要因となりうる。また、米新大統領の経済政策や中東情勢などはリスク要因である。

今後の景気は、底固く推移していくと見込まれている。

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