矢野経済研究所は3月26日、国内の定温物流市場を調査、2024年時点での市場規模や参入企業の動向、将来展望を示した。
<2021年~2027年度にかけての定温物流市場規模推移(予測を含む)>

2024年度の低温物流市場規模は、低温物流事業者の国内における売上高ベースで1兆8700億円(前年度比3.9%増)と推計。2022年度にコロナ禍以前の水準を上回って以降、市場は拡大基調で推移している。
要因としては、重量ベースの数量要因よりも物流費の単価上昇による価格要因の寄与が大きいとした。
主要な低温物流の貨物である冷凍食品の国内消費量は、ここ3年程度はおおむね横ばいで推移しており、冷蔵倉庫の所管容積も同期間で大きな増加は見られない。一方、輸送単価を構成する人件費に加え、電気代・燃料費などのエネルギーコストや保管料(入出庫料・荷役料等を含む)の上昇により物流費が増加し、これが市場規模拡大の要因と考察している。
また、低温食品の取扱量拡大を背景に、冷蔵・冷凍倉庫の需給がひっ迫傾向にある。近年は完成度の高い冷凍食品が増加し、商品単位あたりの容積が大きくなった結果、保管面積あたりの保管可能数量が減少。それにより、冷蔵・冷凍倉庫の保管容量のひっ迫が常態化している。
また、輸入冷凍品の増加を背景に、特に湾岸地域で冷蔵・冷凍倉庫不足が顕在化している。需要に対応した新設・増築等による保管能力の強化が必要となるが、湾岸地区でも新規用地確保が困難であることを踏まえた対応策の検討が重要であるとしている。
同社は、今後も輸入品を含め冷凍食品全体の需要拡大を予測しており、倉庫需給の動向は低温物流市場の重要な課題点としている。
将来的には2025年度の低温物流市場は、低温物流事業者の国内における売上高ベースで1兆9400億円(前年度比3.7%増)と予測。引き続き緩やかな増加で推移すると想定している。
ただし、拡大の主要因は2024年度の傾向と同様に、貨物量の増加よりも、物流単価の上昇の寄与が大きい。重量ベースでみた食料品全体の貨物量は、商品価格上昇の影響を受けた消費の伸び悩みや、長期的な少子高齢化・人口減少等を背景に、横ばい、あるいは緩やかな微減で推移する可能性が高いと見解を示した。
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