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アスクル/物流コスト増大に自社配送化を加速

2018年09月14日/SCM・経営

アスクルは9月14日、2019年5月期第1四半期(1Q)連結決算の業績概要で、1Qはほぼ想定線の着地、宅配クライシスを乗り越え、収益改善に進めたと発表した。

<配送運賃・業務委託費比率の低減>
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第1四半期の業績は、売上高939億7200万円(前年同期比15.9%増)、営業損失1億1100万円(前期は11億5500万円の営業利益)、経常損失1億4600万円(前期は10億1400万円の経常利益、親会社株主に帰属する当期損失2億3400万円(前期は5億5400万円の当期利益)だった。

配送運賃は62億500万円(38.0%増)、売上高比率は6.6%(5.5%)と大幅に増えており、AVC関西・日高の地代増、物流改革コスト増など物流分野のコスト増加により赤字となった。

営業利益のマイナス要因として、AVC関西・日高の地代・償却費10億円、配送費比率の悪化による7億円、物流改革コスト等4億円投下を掲げている。

2019年5月期1Qは、2017年2月16日発生ALP首都圏火災対応と大手配送会社の配送運賃値上げ等の宅配クライシスもあり、物流費増加のピークとなったもので、一時的な赤字と見ている。

今後の物流 抜本的な構造改革として、配送コスト低減に向け、短期では梱包サイズ適正化を進めており、2Qから大手配送会社拠点への荷物持込を予定している。

さらに、センター間輸送の導入等は3Qから実施する予定だ。

<自社配送化の加速>
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中期では、自社配送化を加速させ、LOHACOの配送シェアを自社グループ比率で現在の11%(2018年8月)を2019年5月期末には20%を目指す。

Happy On Time拡大によるサービス向上とともに自社配送シェアを拡大する。

BtoB事業の配送シェアは、すでに自社グループが66%を占め、すでに全国規模で自社配送網を確立している。

長期では、「OPA(Open Platform by ASKUL)による物流シェアリング」を挙げている。

OPAとは、アスクルが進めている物流・マーケティングのプラットフォーム事業で、OPAを「ASKUL」と「LOHACO」に続く第3の収益の柱に育てる方針だ。

OPAでは、メーカー・マーケットプレイス出店者と「在庫の共有化」「商品をLOHACOと同時or同梱配送」を目指し、物量・密度を上げ効率化し、今期中の本格展開を目指す。

これらにより、抜本的な物流構造改革を着実に進め、物流コストの適正化を図るとしている。

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