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トラック隊列走行/車線維持支援システム等の新技術を加え、新東名で実験

2018年12月04日/IT・機器

経済産業省と国土交通省が「未来投資戦略2018」の一環として進めている高速道路でのトラック隊列走行について、今年1月の実証実験に続き、12月4日、新たにLKA(車線維持支援システム)を用い、マルチブランド(4社共同)による、実証実験を行った。

<4台の実験車両>
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<実証実験で走行中の4台の車両>
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<先導車の後に4台の車両>
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<運転席に設置されたLKA(写真真ん中の黒い長方形、赤い枠内)>
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<車体側面の白い部分がLEDの部分(赤い枠内)>
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実施場所は、新東名高速道路の浜松SA上りから遠州森町PA上りの間。実験車両は国内トラックメーカーの日野自動車、三菱ふそうトラック・バス、いすゞ自動車、UDトラックスのマルチブランド。

今回は新たにLKAを各車に搭載することで、横方向の制御の制度を高める目的で実証実験を行った。LKAは道路上の白線を検知して車線内での走行を維持するステアリングを調整する機能。

実証実験は先導車の後に、統制車、30m~35mの車間をとり、4台のトラックが続く。その後ろに、サポートカーという編成だ。トラック4台は時速75㎞から80㎞で走行。全体の長さは約160mになる。

4台ともに有人だが、後続の3台が後続車有人システムでの公道実証。CACC(協調型車間距離維持支援システム)に加え、LKAを用いた世界初の後続車有人システムの実証実験となった。

実証実験では、トラック隊列が周辺走行車両の乗員からどのように認識されるか、トラック隊列が周辺走行車両の挙動(追い越し等)に及ぼす影響等も確認する。

<経産省の垣見直彦室長>
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実証実験概要説明で、経済産業省製造産業局自動車課ITS・自動走行推進室の垣見直彦室長は「この1月に行ったCACCによる後続車有人システムの実証実験は国際的にも注目を集めた。今回はLKAを用いた実証実験。欧州ではアンサンブルというプロジェクトが進められているが、2021年にCACCとLKAの実証実験を公道で行うとしており、日本ではいち早く取り組みが実現した。この技術を国際的にもリードしていきたい」と話した。

<国交省の平澤崇裕自動運転戦略官>
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国土交通省の自動車局技術政策課の平澤崇裕自動運転戦略官は「隊列走行の取り組みは物流業界の人手不足の解消が大きなテーマだ。国交省では省を挙げての自動運転の実現に取り組むため、自動運転戦略本部も立ち上げている。自動運転の実現には、技術的課題を一つずつ解決することと、環境整備が大切で、そのとりまとめを来年早々には発表するつもりだ」と述べた。

<日野自動車の榎本英彦主査>
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日野自動車の技術研究所の榎本英彦主査は「今回の実証実験ではCACCにLKA技術を新たに投入した。CACCは主に速度や車間の制御が中心だが、LKAを搭載することで、横方向への制御が加わり、より精密な安全走行技術が確立されることになる。また、今回はトラック車体の側面にLEDランプを配し、より明確に隊列走行中ということがわかるようにした」と話した。

なお、このプロジェクトでは、10月17日から上信越道で3週間、約3000㎞走行し、CACCの正確さを確認できたとしている。LKAでさらに精度を高め、完成形に近づける構想だ。次のステップはメーカーによるそれぞれの商品化だとしている。また、現在の法体系では、後続車有人システムでは、台数に基本的に制限はない。ただ、今後はより自動化を目指したレベル3、レベル4の開発に向けて法整備と技術開発に挑むことになる。

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