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アスクル/物流を価値と捉えた最新自動化物流センターを公開

2019年11月27日/物流施設

アスクルは11月27日、大阪府吹田市の「ASKUL Value Center関西(AVC関西)」で、省人化を図るため今秋に導入した自動化設備を公開した。

<パレット搬送に採用したAGV>

<ピッキングロボット(ニックネームはSHOとTOMO)>

パレット積みされた商品の入荷エリアから自動倉庫までの搬送には、Geek社製のAGV「Geek+EVE M1000R」10台を、ピッキング工程にはMUJINのロボットコントローラーを採用した安川電機製のロボットアーム2基を導入。それぞれ属人化していた工程を自動化し、生産性の向上を実現している。

AGVは、アスクルの物流拠点として初の導入。従来、パレットに積載した商品はハンドフォークで搬送しており、自動化によって10人程度の省人化が図れたほか、重量物の搬送を省力化することができた。

ピッキングロボットについてはALP横浜などの拠点でも採用しているが、AVC関西では既存拠点での稼働データを元にロボットコントローラーの計算能力を向上させた結果、さらなる動作の高速化を実現した。

<倉庫内に張り巡らされたソーター>

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<最大10万ケースを保管できる自動倉庫>

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このほかにも、AVC関西では省人・省力化を図るため、多数の自動化設備が稼動している。

バース管理には、Hacobu社の「MOVO」を導入。バースの可視化により入荷業務の効率化を図ったほか、従来導入していたバース管理システムと比べて車両待機時間を1時間以上削減し、入荷の生産性向上を図っている。

<商品が作業者の元まで運ばれてくる『歩かないピッキング』>

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また、アスクルは作業員の省力化に向けて「歩かないピッキング」を物流施設のコンセプトとし、商品が作業員の元に運ばれてくる定点ピッキング形式を採用しているが、AVC関西ではピッキングステーションをALP横浜の10倍となる60か所に増強し、先に挙げたロボットの採用と合わせて、ピッキング作業の省人化を実現。歩行作業をゼロ化したことで、作業の生産性を5倍に引き上げた。

<段ボールの自動組立装置>

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そのほか、センター内で使用される折り畳みコンテナ(オリコン)の組立・解体や、段ボールの組立、使用済み段ボールの廃棄などもコンベアと各種機械を組み合わせて全自動化されており、今後はコンベアへの商品投入や、出荷時の積み込みなども自動化を検討していくという。

<天沼執行役員>

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アスクルの天沼英雄CPO・ECR本部長は「アスクルでは、創設当時から物流をコストではなく価値を生み出すものとして捉え、積極的に自動化を推進している。自動化には現時点での効率化を狙った意味合いもあるが、将来必要になってくる更に高度な自動化を実現するための先行投資として、実験的に取り組んでいる側面もある。新しいことを始めなければ、次への進化はない。これからも労働負荷の高い作業や実現可能な工程で、積極的に自動化を推し進めていく」と語った。

■AVC関西
所在地:大阪府吹田市岸部南3-34-1
敷地面積:7万5064m2
延床面積:16万5235m2
竣工:2017年8月
従業員数:800人(実働)

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