商船三井は12月17日、神戸製鋼所と共同で進めている舶用バイナリー発電システムの研究開発に関し、春山海運が保有し、商船三井が用船する新造VLOC(10月28日竣工)に舶用バイナリー発電システムを搭載したと発表した。
このプロジェクトでは舶用バイナリー発電システムを初めてVLOCに適用し、実海域での航行条件における本装置の性能や耐久性の確認を行う。
搭載した舶用バイナリー発電システムは、従来、殆ど利用されていなかった船舶の主機の掃気冷却に伴う廃熱を熱源とし、水より沸点の低い作動媒体を加熱、蒸発させ、その蒸気でタービンを回す事で、最大約100kWの発電が可能。発電した電力は船舶における動力の補助電源などに有効活用する事で、発電機エンジンのCO2排出量及び燃料の削減に貢献する。
これまで商船三井はISHIN-Ⅲ(商船三井の技術開発プロジェクト)の要素技術として様々な排熱回収システムに取り組んできたが、中低温も電力として回収可能なORC(Organic Rankine Cycle)を積極採用することで船舶推進機関の廃熱回収の更なる可能性を見出す、としている。
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