日本郵船は3月30日、日本海事協会(ClassNK)から、3月29日、革新的な取り組みを評価するInnovation Endorsement(イノベーション エンドースメント「IE」)のプロバイダー認証で、最高評価となるクラスSを取得したと発表した。
<左から日本海事協会 坂下 広朗 会長、日本郵船 小山 智之 専務執行役員>
同社がフィリピンに設立した船舶の機関プラント遠隔診断・監視を行う施設であるRemote Diagnostic Center(リモート ダイアグノスティック センター「RDC」)の取り組みおよび、同取り組みを創出した同社の組織体制が評価されたもの。同社はClassNKによる2020年の制度導入後、IEプロバイダー認証クラスSを取得した初の企業・団体となる。
今回のClassNKによる「IEプロバイダー認証」の審査では、ISO56002に準拠した運用手順に加え、RDCでの監視体制や遠隔診断の精度の高さについても高評価を受けた。RDCではSIMS搭載船約200隻の機関プラントをAI(人工知能)で常時遠隔監視・診断する“異常検知システム”を始めとした先進的な船舶管理手法を運用している。
また同センターでは、機関プラントの専門知識を持った海技者(エキスパート)がAIの検知結果を精査し、修理・点検等の対応が必要と判断した場合は、各種データと異常の原因推定などの情報を速やかに本船と船舶管理会社に展開し、現場の迅速な対応を促す。
この様なAIの検知結果だけでは判断しきれない点を人間(エキスパート)が補完して、現場により確度の高い情報を提供するExpert-in-the-Loop(エキスパート イン ザ ループ)構想の下、船舶の重大事故防止を図っている。
今後同社は、先進的な船舶管理手法を業界内でスタンダード化することも目標に掲げ、さらなる研究開発と普及活動を進める。また、将来的には同センターを「自律運航船の遠隔監視制御を担うコントロールセンター」へ発展させることを目指す。
NXHD/7月の国際航空貨物取扱実績、グローバル合計42.9%増