GROUNDは1月27日、同社のR&Dセンター「playGROUND(プレイグラウンド)」(千葉県市川市)で、12月に提供を開始したピッキング支援自律型協働ロボット(AMR)の重量物対応モデル「PEER(ピア)100」によるデモンストレーションを公開した。
<「PEER100」を使ったピッキング作業のデモンストレーション>
PEER100は、既存AMR「PEER ST(スタンダードの略)」の可搬重量を2倍以上の約100kgに増強した新モデル。PEER STが主に小型・軽量な商品向けであるのに対して、PEER100は重量や長さのある商品にも対応できる。また、土台部分の面積を広げたことで、ハンガーラックなど架台の設置が可能になった。
現時点では、日系大手3PLの荷主である外資系アパレル企業から具体的な引き合いがあるほか、総合スーパーマーケット(GSM)企業や、ピッキングにオリコンや通い箱を使用している荷主等から、導入検討の声があがっている。
また、PEER100の提供開始に伴い、PEERシリーズをピッキング作業支援だけではなく、工程間の自動搬送にも使用できるようにした。PEERに取り付けられたタッチパネルから機能を切り替えることで、例えば出荷の多い時間帯はピッキング支援、入荷の多い時間帯は自動搬送と、必要に応じて2種類の役割を使い分けることが可能。これにより、ロボットの稼働率を高めることが可能だ。
このほか、今回のデモンストレーションでは、PEER100と合わせて提供を開始した「PEERシミュレーター」や、PEERのロボット制御システムと同社のWES(倉庫実⾏システム)「GWES」との連携機能について説明があった。
PEERシミュレーターでは、事業者の要望や環境に合わせて、PEERの最適な台数と必要な作業者の人数を算出することができる。物流施設の情報や作業時間、ピッキング情報を入力し、ロボットの台数や作業者の人数を組み合わせることで、作業時間や生産性などをシミュレートすることが可能だ。
また、PEERのロボット制御システムとGWESとの連携では、PEERから得た現場データをGWESに取り込むことが可能になった。これにより、GWESに組み込まれたモジュールと呼ばれる各種機能を使って、作業量や業務の進捗を可視化・分析・管理することが可能になった。
さらに今後の予定として、PEERがピッキングを終えて指定されたポイントに帰ってきたタイミングで各種帳票を自動印刷する機能を提供するほか、PEERの渋滞回避のための群制御機能を2023年内の実用化をめどに開発していることが明かされた。