経産省等が4月27日に実施した「持続可能な物流の実現に向けた検討会」第8回において公表した「荷主事業者の物流情報の把握状況等」によると、荷待ち時間・荷役時間の把握状況について「把握している」荷主事業者は10~20%だった。また自社の輸送委託において、実運送事業者を把握している荷主は約半数、自社が輸送委託をしていない輸送事業者の入出荷に関しては、取引先と輸送事業者との間の契約内容(荷積み・荷卸し・附帯作業等)を把握している荷主は30%だった。
同調査は、荷主事業者に関する施策検討にあたり、同検討会事務局が実施したもの。回答期間は2023年1月30日~3月3日、有効回答数は2617回答。
まず、バース予約システムについて、導入している荷主事業者は約7%。このうち、すべての拠点に導入しているのはわずか約1%という結果だった。
<荷主のバース予約システム導入実績>
また、荷待ち時間の把握状況については、「把握している」と回答したのは発荷主では16.7%、着荷主では12.7%。荷役時間は発荷主が16.0%、着荷主が11.5%という結果だった。つまり、約8割の荷主が「把握していない」ということになる。
<荷主事業者における荷待ち時間・荷役時間の把握状況>
輸送重量・輸送回数については、発着荷主ともに半数前後の荷主事業者が把握しているものの、輸送距離・輸送トンキロ・輸送時間については発荷主は8割前後、着荷主は9割前後「把握していない」。
<荷主事業者における物流関連の各指標の把握状況>
さらに、「実運送事業者」及び「取引先と輸送事業者の契約内容」についてみると、自社の輸送業務の委託において、実際に輸送を行っている事業者(実運送事業者)を把握している荷主は57%。自社が輸送委託をしていない輸送事業者の入出荷に関し、取引先と輸送事業者との間の契約で定められた内容(荷積み・荷卸し・附帯作業等)を把握している荷主は30%だった。
<実運送事業者・取引先と輸送事業者の契約内容の把握状況>