アスクルは11月1日、子会社のアスクルロジストが運営する福岡物流センターに勤務するスタッフがこのたび、(独)高齢・障害・求職者雇用支援機構の行う「令和5年度障害者雇用優良事業所等表彰」において、優秀勤労者として「理事長努力賞」および「機構理事長努力賞」を受賞したと発表した。
この表彰制度は、独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構が毎年9月の障害者雇用支援月間に、障がい者の雇用促進と職業の安定を図るために開催しているもの。
アスクルロジストは、アスクルが展開する事業所向け通販「ASKUL」と個人向け通販「LOHACO」で販売する商品の出荷・配送業務を担い、全国10カ所の物流センターの運営を行っている。今回、九州全県と中国地方への出荷・配送を担う福岡センターにおいて障がい者スタッフが優秀勤労障害者として理事長努力賞を受賞し、アスクルロジストスタッフは、昨年に続き4年連続での受賞となった。
アスクルロジストが障がい者雇用に向き合ったきっかけは、福岡センターで2011年に法定雇用率を満たすために障がい者雇用を開始したものの、短期間で退職してしまった経験から。再び雇用のため特別支援学校を訪問した際に「働く場所を提供するだけでは続かない、向き合う体制がなければ雇用はうまくいかない」という気づきを得て、学校や支援機関、家族、医療といった地域全体で連携した仕組みづくりの確立へ本腰を入れて取り組んだ。
最初に行ったのが、 “障がい者雇用は慈善活動ではなく、事業活動”であり、“障がい者支援ではなく戦力として育成する”という意識改革と徹底した協力体制の構築。入社前の「インターンシップ」による事前準備から、入社後少なくとも3年間に渡るフォローアップを地道に実践することで、個人のみならず、組織全体の生産性向上という結果を生み出した。代表的なプログラムのひとつに、入社前の「2か月間事前実習」がある。特別支援学校と家族を巻き込み、障害の度合いや個人の特性を実習期間中から一人一人把握し、本人に適した訓練メニューを考えたうえで反復して理解を促進するもの。これにより、障がい者は入社後には即戦力として働くことができるようになる。
その結果、福岡センターでは2012年に特別支援学校から新卒者を採用して以降、毎年採用を行い、2022年10月時点では、福岡センターの社員304名のうち59名を障がい者社員が占めている。福岡センターにおける障がい者の雇用率は19%、法定雇用率は29.9%に達し、センター内でのピッキング、商品補充、梱包、検品、事務など幅広い業務に従事している。応募者に対しての採用率は10年間で100%を実現、定着率は81%に達し、年次の長い障がい者社員はリーダー職に就き、主力のスタッフとして活躍している。
アスクルロジストはこれからも、重要な戦力として障がい者雇用を継続しつづけ、福岡センターにおける雇用事例を全国で展開していく。そして、障がい者スタッフだけでなく、あらゆる社員に対して安心して働ける環境づくりを図り、ダイバーシティを推進していくとしている。
アスクル/AVC関西でGTPシステム全面稼働、保管・出荷能力向上へ