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日本郵船ほか/国際海運の温室効果ガス排出削減の取り組みが採択

2024年03月07日/3PL・物流企業

日立造船と日本郵船は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)がグリーンイノベーション基金事業(GI基金事業)として2023年11月に追加公募した「次世代船舶の開発プロジェクト」において、「アンモニア燃料船搭載のN2Oリアクタ開発」を提案し、このほど採択されたと発表した。

<事業における各社の役割と社会実装に向けた取り組み>
20240307nyk - 日本郵船ほか/国際海運の温室効果ガス排出削減の取り組みが採択

国際海事機関(「IMO」)は、国際海運から排出される温室効果ガス(GHG)を2050年頃までに実質ゼロとする目標を2023年7月に掲げた。同目標の達成に向けて、GHGを排出しない次世代船舶の研究開発が急務となっており、特に船舶燃料を従来の化石燃料から燃焼時に二酸化炭素(CO2)を排出しないアンモニア等の代替燃料へ転換する技術開発が、GI基金事業として進められている。

事業では、アンモニアを燃料とした場合に排出される亜酸化窒素(N2O)を触媒によって除去する装置(N2Oリアクタ)を開発する。N2Oの地球温暖化係数はCO2の約300倍であり、GHG排出削減効果の高いアンモニア燃料船の実現には、N2Oの排出量削減が必要不可欠。N2Oリアクタの開発・普及を通じて、海上輸送でのカーボンニュートラルの早期実現を目指す。

日立造船は、舶用エンジンにおける窒素酸化物(NOx)除去のための舶用SCR(Selective Catalytic Reduction:選択的触媒還元法)装置の開発など、触媒技術に高い実績とノウハウを有しており、この事業では舶用2ストロークエンジン向けにN2O削減のための触媒開発および装置化、機器配置の最適化などを行う。

日本郵船は、2026年11月に竣工予定のアンモニア燃料船に、日立造船が開発したN2Oリアクタを搭載し、実証航海による安全性・性能確認などを担当する。なお、この事業によるN2Oリアクタの安全性確認や、今後の国際的なガイドライン策定に関わる基礎研究などについては、協力機関である日本海事協会(ClassNK)が行う予定だ。

■事業概要
公募実施者:国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)
事業名:グリーンイノベーション基金事業「次世代船舶の開発」プロジェクト(追加公募)
実施者:日立造船(幹事会社)、日本郵船
協力機関:日本海事協会
研究開発テーマ:アンモニア燃料船搭載のN2Oリアクタ開発
実施期間:2024年度~2027年度(予定)

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