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連載 現場が変わる人財育成 第9回 菅田 勝

2024年05月31日/コラム

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Z世代の活かし方・育て方(9)
「Well done型」の職場運営と改善提案制度で、職場の活性化サイクルを創る(後編)

前回(第8回)では、若手(Z世代)が生き生きと働ける環境創りのために、「何でも言える、聞いてもらえる」職場風土を醸成することが大切であるとお伝えしました。

今回は、そうした職場風土づくりの一環として私が取り組んだボトムアップ型の現場運営手法の一例として、「改善提案制度の掲示」をご紹介します。

<筆者による取り組み「改善提案制度の掲示」事例>
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皆さんは「改善提案制度」をご存じでしょうか。メーカーではポピュラーですが、物流会社ではまだ採用事例が少ないかと思います。

私はメーカー勤務時代に改善提案制度の効果とメリットに着目し、物流子会社に移ってからも積極的に職場運営に活用してきました。

改善提案制度による取り組みでは、新人、パートさん、固定派遣さんも含め全員に参加してもらい、1人につき毎月1件の改善提案を提出するようにお願いしていました。

出された提案には全て目を通し、職場巡回時に当人に直接提案内容について話を聞くとともに、改善活動と提案書の提出について感謝を伝えていました。

また、提案書にはコメントを付記し、「次はこのような改善を実施して貰えたらなお素晴らしい」と、次のステップとしてチャレンジ課題を説明。出された提案は朝昼礼等で紹介したほか、社内掲示板にも掲示し、優れた改善案は個人顕彰するように努めてきました。

私が担当した職場では、月平均で1人あたり0.8件以上の改善提案が提出されていました。ただ淡々と仕事をこなすのではなく、仕事をしながら積極的に考える・工夫する習慣が芽生え、職場を巡回している際に、よく「改善について相談したい」と声を掛けられる場面が多かったです。

こうした取り組みによって職場全体が活性化し、生産性向上に目覚ましい成果が表れました。従業員300人規模の物流センターでは、年間に生産性が17%も向上し、一気に業績を改善できた事例も生まれました。

パートさんや固定派遣さんにとって、このような改善提案活動は初めて経験する方が多かったですが、提案したことについて労いの言葉をかけて貰えたり、褒められる、表彰される(副賞として図書券を贈呈していました)、自分の名前が朝昼礼で紹介されることで、「楽しい」「やる気になる」(マズロー欲求5段階説、レベル4“自我欲求”以上)と好評で、退職者も減りました。

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また、楽しい職場は人が人を呼ぶ好循環も創り出します。パートさん達が他社で働いている友人に声を掛け、勧誘してくれたおかげで、沢山のパートさんが入社してくれました。私が定年前に勤務していた埼玉県の拠点では、1人のパートさんが4人も友人を紹介してくれて、皆さん入社して頂きました。

私は、パートさんによる紹介入社の人数を採用面での管理特性KPIとし、スローガンである「元気に出社、笑顔で帰宅。明るく楽しい職場創り」が形成できているかどうかを判定するバロメーターにしていました。

在籍中のパートさんが友人を紹介してくれる訳ですから求人広告費はゼロですし、友人の紹介である手前、入社後も張り切って働いてくれるため、組織の活性化に拍車が掛かりました。

改善好事例発表会には、荷主さんを招待(連載第5回の事例(1)参照)し、荷主さんに全従業員による「ホスピタリティー溢れる好挨拶」と「活発な改善提案活動」を実際に見て「素晴らしい!」と褒めて頂き、信頼感を持ってもらえたことで、他社に委託していた業務を切替受託することができ、より強い顧客関係(CRM:カスタマー・リレーション・マネジメント)を築くことができました。

自社の営業部門が提案中の新規顧客を現場見学に招待すれば、業務委託の決断を促すことにもつながります。職場活性化の効果によって高品質QCDSサービスが可能であることを体感してもらうことで、競合他社と比較した際の自社の優位性を感じ取ってもらい、沢山の新規受注増を実現できました。

このように、従業員が生き生きと働ける職場は、強い現場力も併せ持っています。皆さんが強い現場力を構築し、「現場力で仕事が獲れる」職場環境を構築できるよう、これからも当コラムではさまざまな成功事例を紹介していきたいと思います。

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