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連載 現場が変わる人財育成 第8回 菅田 勝

2024年05月17日/コラム

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Z世代の活かし方・育て方(8)
「Well done型」の職場運営と改善提案制度で、職場の活性化サイクルを創る(前編)

前回(第7回)では、若手やパートさん達が安心して元気に働ける職場創りの第一歩として、こちら側からの「積極的な挨拶・声掛け」が大切であるとお伝えしました。居心地の良い職場創りのために、物流現場を管理する立場にある読者の皆さんは「挨拶・声掛けの達人」になる必要があります。

そこで今回は、実際に若手とコミュニケーションをとる際に有効な接し方をご紹介していきたいと思います。

昨今、若手(Z世代)を生かし、育てるための接し方が、かつてなく難しい時代になってきました。彼らは、ゆとりや多様性を尊重する教育方針の下、リーマンショックや東日本大震災等、停滞感・不安感が漂う生活環境で育ってきたため、受動的で安定性を求める傾向にあるといわれています。そのため、彼らが生き生きと働ける環境創りとして、「何でも言える、聞いてもらえる」職場風土を醸成することが大切になってきます。

私達、昭和や平成初期人は、若い時に上司から指示を受けた際、「考えるよりもまず動け」「とにかく行動しろ」と言われ、教えることは本人のためにならない、背中を見せて盗ませることが育成法である、といった教育を受けてきたかと思います。しかし、現在の若手にそんな古いやり方はとても通用しません。

4月に入社した新人も受入教育が終了し、業務に携わり始めた頃かと思いますが、求められる知識やスキルとのギャップが原因でモチベーションが低下し始め、五月病の心配も出てくる頃です。こうしたリスクを回避するためにも、我慢や耐えることが苦手な今の時代の若手に有効な育成ノウハウや接し方、育成の仕方を工夫していかなければなりません。

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私は、まず「気持ちが通じ合い、やり甲斐感ある心理的安全性の高い組織創り」が重要であると考え、そのために若手とのコミュニケーションスタイルは「発言3:傾聴7の法則」に基づき、「押し付けない」「決めつけない」「否定しない」「考えさせて引き出す」「良いことはしっかり褒める」「一歩ずつ成功体験を積み重ねる指導」「若手を尊敬する気持ちを抱く」といったことを大切にしながら、若手とコミュニケーションを図ってきました。

そして、若手とのコミュニケーションを図るうえで意識していたのが、「ラポール」の形成です。

ラポール(rapport)とは、「橋を架ける」という意味のフランス語で、精神医療現場の用語がビジネスに普及したといわれています。ラポールが形成されることで、お互いの気持ちが通じ合い、安心できる状態を作り出すことができます。

社内を見渡しても、ラポールの形成に留意している管理職は人間関係も良好で、組織を纏めるのも上手く、取引先とも良い信頼関係を築いており、ビジネスの成果も実現できていると感じます。

良好なラポールが形成できていると、若手は「話を聞いてもらえている」「見てもらえている」「期待され大切に思われている」と感じることができ、やりがいが高まり、結果として帰属意識エンゲージメントが醸成され、簡単に退職するような事態は減っていきます。

<別紙資料「職場の活性化サイクルを創る」>
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私は、ラポールを形成するために、上の別紙資料「職場の活性化サイクルを創る」のように、若手に組織方針や目標KPIを伝える際、命令口調で押し付けたり強要する「Do/Don’t型」ではなく、背景や理由を含めて何度も丁寧に分かり易く伝え、彼らの自主的な創発意欲を喚起する「Well Done型」の伝え方を心がけ、メンバー個々人への接し方と育て方を工夫して、毎日が明るく楽しい雰囲気の職場になるように腐心してきました。また、そのために組織運営では「トップダウン型3割:ボトムアップ型7割」を常に意識していました。

「Well done型」の接し方については、当コラムの第2回に具体的な方策を記載していますのでご参考ください。

次回(後編)では、ボトムアップ型組織運営の事例を紹介します。メーカーではポピュラーな改善提案制度を物流現場に採用した事例をお伝えしたいと思います。

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