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JLL/東京の物流施設、2四半期ぶりに空室率上昇で高止まり続く

2024年10月29日/調査・統計

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ジョーンズラングラサール(JLL)が10月29日に発行した、2024年第3四半期のマーケットサマリーによると、東京の物流施設需要は、空室率は2四半期ぶりに上昇、高止まりが続く形となった。

<東京圏の需給と空室率の推移 出典:JLL>
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東京圏では、Eコマース企業、3PL企業等による堅調な需要と新規供給が持続し、2024年第3四半期の純需要は44万8000m2となり、2024年第1四半期から第3四半期では125万2000m2となった。

第3四半期の新規供給は合計56万6000m2となり総ストック(総賃貸可能面積)は前期比3%、前年比11%増加した。空室率は9.9%で前期比0.3ポイントの上昇、前年比2.3ポイントの上昇。東京ベイエリアの空室率は8.1%、内陸エリアは10.6%となった。

賃料は、月額坪当たり4687円で前期比1.1%の上昇、前年比2.3%の上昇。ベイエリアは前期比0.5%の増加、内陸エリアは前期比1.4%増加となった。賃貸市場では堅調な需要拡大と建築コストの上昇が続き、緩やかな賃料上昇が続くと予想される。しかし空室率が高止まりしているため、一部の内陸エリアでは賃料下落の可能性もある。

<大阪圏の需給と空室率の推移 出典:JLL>
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大阪圏では、第3四半期も物流施設に対する堅調な需要は継続し、新規物件への需要と既存物件の空室消化で純需要は24万2000m2となり、2024年第1四半期から第3四半期では68万6000m2となった。

新規供給は合計29万7000m2で、ストックは前期から4%増加、前年比14%増加の697万3000m2。空室率は3.0%で前期比0.7ポイントの上昇、前年比0.4ポイントの低下。大阪ベイエリアの空室率は2.2%、内陸エリアは4.0%となった。

賃料は月額坪当たり4145円で前期比0.6%上昇、前年比1.8%上昇となった。新築物件の高い賃料が全体の賃料を押し上げるとともに、既存物件の賃料も新築物件に追随して徐々に上昇している。

賃貸市場では2025年以降に内陸エリアで新規供給が増え、空室率が上昇すると見込まれる。建築コストの高騰によって新築物件は賃料上昇が続くと予想される。テナントの賃料負担力が懸念されるが、既存物件は高稼働が続いており、賃料上昇は続くと予想される。

<福岡圏の需給と空室率の推移 出典:JLL>
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福岡圏では、第3四半期も福岡の物流施設に対する需要は堅調で、新築物件に対する需要によって純需要は4万8000m2となり、2024年第1四半期から第3四半期では26万6000m2となった。

第3四半期の新規供給は8万3000m2で、ストックは前四半期から6%増加し151万6000m2となった。空室率は5.6%で前期比2.1ポイント上昇、前年比で1.4ポイント低下している。

賃料は、第3四半期末時点の賃料は月額坪当たり3482円で前期比1.2%上昇、前年比4.4%の上昇となった。新築物件の高い賃料水準が既存物件にも波及しながら上昇が続いている。

空室のある物件は少なく、多くの既存物件は高稼働が続いている。建築中の物件もテナントの内定が進んでおり、需給ひっ迫の状況が続く見込みである。強い投資需要と賃料上昇によって物件価格は上昇が続くと予想される。

JLL/東京の物流施設、空室率が4四半期ぶりに低下

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