富洋海運の完全子会社である堂島汽船は10月17日、兵機海運との資本業務提携の実現に向け、兵機海運の普通株式の一部(兵機海運の自己株式を除く)を、金融商品取引法による公開買付けにて取得することを決定した。
この公開買付けに関し、兵機海運は10月30日付で意見表明報告書及び別紙「公開買付者に対する質問」を提出した。11月6日、堂島汽船はこの質問に対する回答として、対質問回答報告書を提出した。
なお、兵機海運からの質問には、本公開買付けとは直接関係のない質問も一部含まれていたが、 本公開買付けに関する兵機海運株主の理解促進の観点から、適切と考える範囲において対応した。
また、兵機海運は10月31日付け「大和工業グループとの資本提携及び業務提携の協議開始について」により、大和工業グループ(大和工業及び大和工業の連結子会社ヤマトスチール、以下、総称して「大和グループ」)との間で、資本提携及び業務提携の協議を開始することを合意したことを公表し、今後の国内海上物流の動向や人材・設備の効率的活用に鑑み、戦略的パートナーとして位置付けることにしたとのこと。
兵機海運の公開情報から、対象者の直近事業年度(第81期)において大和グループに対する年間売上高が40億円以上存在し、総販売実績に対する割合の27.8%を占める最大の取引先であることは、富洋海運及び堂島汽船としても十分認識している。
兵機海運10月31日付リリースについては、具体的な施策が記載されていないため、富洋海運グループとして意見は控えさせていただく一方、兵機海運の6月27日付け有価証券報告書において、大和グループを含む高比率売上先の動向が事業等のリスクとして挙げられている。 大和グループへの依存度を更に高めることに繋がりうる提携については、兵機海運及びその株主においては、同じく兵機海運株主でもある富洋海運グループの対質問回答報告書の内容を踏まえ、慎重な検討が必要と考えている。繰り返しとなるが、対象者の大和グループとの間の取引の重要性は理解しており、本公開買付けが実施された場合に、大和グループとの既存の取引関係が阻害されるという懸念も生じないものと考えている、としている。
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