大和ハウスグループの大和ライフネクストは11月11日、「マンション内配送サービス」の実証実験を開始したと発表した。
実証実験は、物流業界におけるラストワンマイル問題の解決およびマンション居住者の利便性向上を目指す新たな取り組みとして、11月11日から2025年1月末まで、東京都中央区の分譲のマンション約200戸で行われる。
なお実証実験には、日本郵便、ヤマト運輸、佐川急便が参画する。
「マンション内配送サービス」は、宅配会社の荷物をマンション管理員が一時的に受け取り、その後各住戸に配達するシステム。再配達率の削減と居住者の利便性向上を目指すことを目的に考案された。
居住者が不在だった場合、マンションごとの管理ルール内で宅配ボックス、置き配を積極的に活用して再配達ゼロを目指す。
また、この方法でも配達できなかった場合は、管理事務室および専用倉庫で一時的に保管する。この荷物は、管理員の業務時間内であれば管理事務室でいつでも受け取ることができる。居住者には、宅配ボックスへの配達時と同様に、不在票を投函することで知らせるという。
ただし、冷蔵・冷凍・代引き・郵便物(書留含む)・貴重品便等の一部の荷物はサービスの対象外となる。
この取り組みにより、宅配会社はマンション単位の配送で済む上に再配達も発生しないことから、配送の効率化を図ることができる。
居住者にとっても、受け取りがスムーズになるほか、別々の宅配会社からの荷物を一括で受け取ることができる点がメリットだ。
マンション管理会社からすると、管理ノウハウを生かした新サービスの存在自体が新たな付加価値の創出となるだけでなく、管理員が配送業務の一部を担うビジネスモデルの構築により、収益増加と社会課題への貢献につながる。
配送管理アプリの開発も進んでおり、今後は管理員が専用アプリを通じて「宅配会社からの荷物の受け取り」および「居住者への荷物の配達」の記録を行うという。
<実証実験イメージ動画>
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