日本通運、全国通運(全通)、日本フレートライナー(FL)、日本貨物鉄道(JR貨物)、T2の5社は11月21日、社会課題であるCO2排出量削減、物流業界の労働環境改善および労働力不足への対策として、将来的なレベル4自動運転トラックと貨物鉄道を組み合わせて輸送する「自動運転トラック×貨物鉄道」モーダルコンビネーションの輸送モデルを構築するため、実証実験の検討を開始すると発表した。
<「自動運転トラック×貨物鉄道」モーダルコンビネーションイメージ図 一例>
日本の貨物鉄道輸送において全国ネットワークを構築している4社(日本通運、全通、日本FL、JR貨物)に、自動運転トラック技術を有するT2が融合。「自動運転トラック×貨物鉄道」のモーダルコンビネーションを実現することで、自動運転区間における輸送ルートの複線化を構築。輸送力の増加や貨物鉄道不通時へのBCP対応が可能となる他、貨物積み替え作業が効率化され、日本における貨物鉄道輸送の可能性が将来に向けて限りなく広がっていくとしている。
<イメージ図:スワップボディトラックと貨物列車の両方に積載可能な、31フィートタイプの共用コンテナ>
実証実験に向けスワップボディトラックと貨物列車の両方に積載可能な31ftタイプの共用コンテナをT2とJR貨物で共同開発しており、2025年3月末に完成予定。共用コンテナは貨物列車からスワップボディトラックに直接載せることができ、貨物の積み替え等に要する作業時間を短縮することが可能。
2025年5月から2025年6月を実証期間とし、関東~関西間はT2のレベル2自動運転トラック、関西~九州間はJR貨物の貨物列車を組み合わせ、日本通運、全通、日本FLの貨物を輸送する想定だ。
なお、気候変動を含む地球環境課題、物流業界の「2024年問題」に対して、CO2排出量の削減、ドライバーの労働環境改善・ドライバー不足への対策は持続可能な社会を築いていく上で、必要不可欠な活動。
活動に参画する5社はトラック輸送と鉄道輸送を紡ぎ、顧客の想いを繋ぎ、世界最高水準の日本の物流水準を継ぐことを目指す。2027年運用開始を目標にレベル4自動運転トラックを活用した「自動運転トラック×貨物鉄道」のモーダルコンビネーションの実現を目指す。
今回のモーダルコンビネーションのために開発する共用コンテナの有用性の検証のためにも実際の貨物を想定したトータル輸送での実証実験を行う。
■実証概要
期間:2025年5月~2025年6月
対象区間:関東~九州の発着地(オペレーション全体としての対象)
関東~関西:自動運転トラック
関西~九州:貨物列車
■参加企業と役割
日本通運:集貨・配達
全国通運:同上
日本フレートライナー:同上
日本貨物鉄道:貨物鉄道区間での輸送および検証
T2: 高速道・専用道での運送区間における自動運転輸送および検証
■実証内容
関西の貨物駅でのスワップボディトラックから貨物列車へ共用コンテナの積替えの検証
関東~九州間トータルのオペレーション検証
輸送リードタイムの短縮検証
※実証実験時の自動運転トラック運行はドライバー乗車のもと行う。
JR貨物/相模貨物駅に積替ステーション開設、コンテナ利用しやすく