日本郵船は12月2日、サムスン重工業(SHI)へ発注していた液化天然ガス(LNG)運搬船「QUEST KIRISHIMA」がSHI 巨済(Geoje)造船所で竣工したと発表した。
同船は、九州電力の100%子会社であるQユナイテッドエナジーサプライ&トレーディングとの定期傭船契約に投入される。
同船のカーゴタンクは容量17万4000m3のメンブレン型で、優れた防熱性能をもつタンク方式を採用している。燃料油とボイルオフガス(航行中にカーゴタンク内で気化したLNG)を利用する二元燃料低速ディーゼル機関「X-DFエンジン」や、余剰ボイルオフガスを有効に利用する再液化装置を搭載しており、従来型のLNG船に比べて大幅に効率的で経済的、かつ環境負荷を低減した運航を実現する。
同社はエネルギー輸送事業で、成長分野と位置付けるLNG/LPG船事業を中心に取り組みを強化するとともに、世界最大級のLNG船保有・管理会社としてこれまでに培ってきた経験や技術力、ネットワークを活かし、日本のエネルギーの安定的な供給の実現に貢献していくという。
また同社はLNG輸送事業に限らず、船舶向けLNG燃料供給事業や世界初のLNG燃料パナマックス型石炭専用船の建造、グリーンアンモニア等次世代エネルギーのサプライチェーンの構築といった幅広い分野において、今後も九電グループとの協力体制を強化していくとしている。
■本船概要
全長:約293m
全幅:約46m
主機関:X-DFエンジン
積載容量:約17万4000m3
建造造船所:Samsung Heavy Industries 巨済造船所(韓国)