アイ・テックは12月2日、トピー工業、日本貨物鉄道、浜松委托運送、三八五通運とモーダルシフト豊橋北上コンテナ輸送協議会を設立、鋼材輸送での鉄道輸送を活用したモーダルシフトを実施すると発表した。
この取り組みは、トピー工業で製造された鋼材製品のアイ・テック北上D・M・Cへの輸送について、輸送工程の一部をトレーラー輸送から新造したコンテナを使用した鉄道輸送に切り替えるもの。これにより、トレーラーの総走行時間を削減、2024年問題への対応に大きく貢献するほか、CO2排出量の削減によるカーボンニュートラルにも寄与する。
なお、取り組みは国土交通省の「物流総合効率化法」に基づく総合効率化計画の認定を受け、「モーダルシフト加速化緊急対策事業」および「モーダルシフト等推進事業」に採択されたものだ。
具体的な取り組みとしては、トピー工業豊橋製造所~アイ・テック北上D・M・C間の鋼材輸送について、JR貨物西浜松駅および盛岡貨物ターミナル駅を経由して、鉄道輸送を活用する。
トレーラーの総輸送距離を短縮することで、年間のトレーラー総走行時間が61%削減され、トレーラーの走行距離の短縮に伴う年間CO2排出量も65%の削減が可能となる。
使用されるコンテナは、上面と側面を開放可能な構造で、クレーンおよびフォークリフトでの鋼材の積み下ろしが可能な「31ft無蓋コンテナ」。
積載する鋼材は9.0m以下のものとなり、積込後は安全への配慮と鋼材の保護のため、貨車用シートをかけて輸送する。
アイ・テックが2台を新造、トピー工業が新造した2台と合わせて計4台のコンテナを使用するが、今後の取り組み状況により、コンテナ所有数の増加も検討するという。
■現状と同様の輸送重量(年間240回の鉄道輸送)を想定し算出した効果
省力化(トレーラードライバー削減総走行時間):2256時間/年(省力化率:61%)
CO₂排出削減量:170t/年(削減率65%)
■輸送経路と輸送手段
トピー工業豊橋製造所 → JR貨物西浜松駅 距離:40㎞(トレーラー)
JR貨物西浜松駅 → JR貨物盛岡貨物ターミナル駅 距離:793㎞(鉄道)
JR貨物盛岡貨物ターミナル駅 → アイ・テック北上D・M・C 距離:49㎞(トレーラー)
アイ・テック北上D・M・C → JR貨物盛岡貨物ターミナル駅 距離:49㎞(トレーラー)
JR貨物盛岡貨物ターミナル駅 → JR貨物西浜松駅 距離:793㎞(鉄道)
JR貨物西浜松駅→トピー工業豊橋製造所 距離:40㎞(トレーラー)
■使用されるコンテナサイズ
外法:長さ9410㎜ 幅2490㎜ 高さ2500㎜
内法:長さ9181㎜ 幅2323㎜ 高さ652㎜
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