沖電気工業(OKI)は1月20日、倉庫や工場に保管された製品、備品などの位置情報をスマホで追跡できるロケーション・在庫管理システム「SHO-XYZ(ショザイ)」を3月から販売すると発表した。
荷物にQRコードやRFタグを貼り付け、リーダーと接続したスマホから読み取ることで、保管位置を自動追跡。紛失した物を探す手間や、紙やエクセルを使い手作業で管理していた工程を削減する。
OKIの自社倉庫を使った実証実験では、物の捜索時間がシステム導入前と比べ約75%削減できたという。
<デモンストレーションの様子>
「SHO-XYZ」は、物の保管位置や在庫情報を一元管理できるクラウドシステム。
位置情報は、屋外ではGPS、屋内では壁や支柱に付けたビーコン、棚や床に付けたRFタグを使うことで、屋内外を問わず測れる。
段ボール、パレットなどにタグやコードを貼り付け、搬送するフォークリフトなどにはリーダーを取り付けておけば、スマホでタグを検知し搬送状態を分析、搬送の開始・終了を自動判別する。
「SHO-XYZ」には、WMSなど一般的な倉庫管理システムで必要な入出荷などの管理機能が備わっており、特に人の記憶や紙に頼っていた引当処理、ピッキングのプロセスで、効率化できるメリットが大きいという。
スマホ操作画面は、直感的に扱え、外国人の多い現場で使えるよう多言語にも対応する。荷物の外見の写真を撮ったり、メモを入れたりすることもできる。
スマホなど汎用市販品を使うため月額5万円から利用でき、大規模な設備投資をしなくても、小規模倉庫でも導入しやすい点や、追跡に必要な機器をマテハン機器に後付けすることができる点も特長だ。
OKIの吉原和英 物流・地域DXチームマネージャーは「在庫管理は当然していてもロケーション管理まではできていない現場が多く、ぜひ活用してほしい。既にWMSを導入していても『荷物が仮置きで未入力の間に分からなくなってしまった』といった問題は起きており、そうした所からも引き合いがある」という。
また、青木聡 イノベーション事業開発センター企画室長は、OKIは戦略として物流領域の事業を拡大中だとし、SHO-XYZについては「自社倉庫で実証実験を行い、これは他の倉庫でも非常にニーズの高いシステムだと分かった」としている。
■SHO-XYZ
https://www.oki.com/jp/SHO-XYZ/index.html