サンリツとメトラー・トレドは2月18日、サンリツの保税蔵置場である成田事業所(第2倉庫)に導入したメトラー・トレドの自動パレット寸法測定装置・システム「TLD870」とフロアスケールPFA584の導入効果について説明した。
サンリツが導入したのは2023年12月で約1年が経過し、その効果も明らかになってきたことで説明会を開催したもの。
導入の契機となったのは2024年問題だった。労働力不足に対応するため、5%の労働力創出という発想からスタートしたものだ。導入前は、作業者により貨物を秤に載せて検量、巻き尺で3辺の計測、計測値の転記が行われていた。この工程では時間がかかること、さらにヒューマンエラーが発生する可能性が高いことが課題だった。
田原慎也事業戦略部長代理は「段ボール箱程度を計測する機器はあったのですが、パレットの貨物、木箱梱包の貨物の寸法を測定できることといった要素を備えているシステムはなかなか見つかりませんでした。ネットで偶然見つけて問い合わせをして、説明を受け、ほどなく導入しました」と話す。
メリットとして挙げたのが、「生産性向上」、「品質向上」、「デジタル化」、「省人化」だという。導入後、1パレットあたりの検量・検尺に90秒かかっていた実計測時間は、この自動計測器の導入により、約4秒となり、作業時間の削減率は96%となっている。徐々に稼働を上げ、月間4000パレット(現在は800パレット程度)に高めていく予定だ。
生産性向上も大きいが、一番効果的だったのは、ヒューマンエラーがなくなったことだ。信頼性が大幅に増したことも、顧客から喜ばれているという。
今後さらなるDX化を目指すことから、現在単発で機器を導入している「点」での展開から、全社のシステムを統合できる「面」での展開に挑戦していく予定だ。
なお、メトラー・トレドはスイスのメーカーで、研究開発、品質管理、製造、物流など様々なアプリケーションに対応する計量・計測機器とサービスを提供しているグローバル企業だ。
メトラー・トレド産業機器事業部の村田真人事業部長は「機器としての精度が高いことは言うまでもありませんが、画像認識のソフトのアルゴリズム面では他の追随を許しません」と確固たる自信を示した。
サンリツ 決算/4~12月の売上高3.3%増、営業利益24.8%増