栗林商船は3月24日、自社RORO船でバイオ燃料混合油を使った実航路試験を開始したと発表した。
日本植物燃料が事業主体となりアフリカのガーナ、モザンビークで栽培する、「ジャトロファ」から搾油したストレートベジタブルオイル(SVO)のサンプル油を搬入。既存の適合C重油と混合(バイオ燃料濃度10%)し、実際の定期航路で運航する。
試験を通じ、SVOの実用化に向けた課題を明確化し、将来的な導入判断やサプライチェーン構築に資するデータ蓄積を進める。
ジャトロファ由来のSVOをそのまま燃料として用いた海上輸送での実証試験は、日本国内では初の取り組みという。
<左は育成中のジャトロファ、右はジャトロファ由来のサンプル油(左:バイオ燃料濃度10%、右:SVO100%)>

これまでのバイオ燃料実証は、FAME(脂肪酸メチルエステル)やHVO(水素化植物油)など加工燃料が中心だった。
今回の取り組みでは、より簡素な製造工程で得られるSVOを直接活用する点が特徴。主機関・補機関への影響(燃焼特性、出力安定性)や、燃料系統への影響(粘度管理、フィルター詰まり等)、排ガス特性、実運航下での安定供給と運用管理などを検証する。
栗林商船は2025年から、日本植物燃料が推進するジャトロファ由来バイオ燃料の事業化に向けた実現可能性調査に、大手海運会社や大手総合商社と共同で参画している。
ジャトロファは食用に向かない非可食の油糧植物で、食料生産と競合しない持続可能な原料として注目される。特にアフリカ地域などの未利用地で栽培可能なことから、地域経済の活性化と脱炭素社会の実現を両立できる可能性もある。
栗林商船は2030年度までの内航海運のCO2削減目標として17%(2013年度比)を掲げており、海運業界における脱炭素移行の実践的モデルを示したいとしている。
中でもジャトロファ由来SVOは、既存内燃機関の活用が可能な点と、原料の持続可能性が担保され得る点から、「有望な選択肢の一つ」と考えているという。

