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日本海事センター/日本のLNG船隊は世界最大

2015年06月08日/調査・統計

日本海事センターは6月8日、LNG海上輸送の動向を取りまとめ公表した。

米国シェールガスの輸出や世界的な天然ガス需要の増加を背景に成長が見込まれるLNG輸送の動向を整理し、今後の展望について考察したもの。

2015年初め時点で LNG船は400隻超、発注残は150隻超であり、船腹量ベースで発注残は現存船の約4割を占めるため、LNG船短期用船市場は今後も弱含みの状態が続くことが予想される。しかし、新規LNG輸出プロジェクトが本格化し、スポット需要が増加すれば徐々に市況は上向く可能性はあると考えられるとしている。

日本が所有するLNG船隊は世界最大で、船腹量ベースで世界シェアは2割前後(センターの推計では2014年9月時点で24%)と考えられるという。

日本の海運大手は米国や豪州の新規LNG輸出プロジェクトに関連した新造発注を進めており、今後も日本のLNG輸入において重要な役割を果たすと考えられる。

特に米国シェールガスの輸入はLNG価格体系の多様化に寄与する点で大きな意義があると考えられており、支える日本海運の存在は日本経済と国民生活にとって重要と考えられる。

今後の展望では、日本海運が輸送シェアの拡大を図っていく上では、計画中のプロジェクトの動向を注視するとともに、海外企業との提携といった選択肢も視野に入れつつ、長期輸送案件の積み増しを図ることが重要。

今後は輸出国と輸入国の増加又は変化、仕向地制限のない契約やポートフォリオ契約(産地を特定せずに売主が保有する複数の供給源から購入する契約)の進展、シンガポールなど取引拠点からの再輸出などLNGトレードの多様化が進む可能性があり、そうした変化が生じた際には、柔軟な対応を図ることも重要と考えられるとしている。

FSRU(浮体式LNG貯蔵・再ガス化設備)やFLNG(浮体式LNG生産・貯蔵設備)などのオフショア事業は市場としてのポテンシャルがあるだけでなく、欧米メジャーや新興国のエネルギー大手との関係深化を図る好機でもあり、LNG輸送案件への波及効果も見込めると考えられるとしている。

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