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日本郵政/トール社の業績悪化、豪州国内物流事業の不振が主な原因

2017年04月25日/決算

日本郵政は4月25日、2017年3月期決算における減損損失の計上について発表した。

のれんの計上と減損テストでは、減損経常の経緯を説明。2015年5月の買収に伴い、のれん及び商標権(のれん等)5276百万豪ドル(5048億円)を計上。

のれん等の償却負担額(20年均等償却)は年間263百万豪ドル(215億円)だった。

2017年3月期におけるトール社の営業損益は、資源価格の下落と中国経済・豪州経済の減速等を受け、前年実績を大きく下回る見込み。

1月にトール社の経営陣を刷新。人員削減や部門の統廃合等によるコスト削減施策を中心に、トール社の業績回復・将来の成長への基盤を整えるための経営改善策を講じている。

直近の実績を基礎とした損益見通しにより減損テストを実施した結果、2017年3月期末において、のれん等の全額に相当する減損損失3923億円と有形固定資産の減損損失80億円(合計4003億円)を特別損失として計上する見込みとなった。

<トール社の営業損益>
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トール社の業績悪化の要因では、「豪州国内物流事業」、「国際フォワーディング事業」、「コントラクト事業(3PL)」に区分される。直近の収益性の低下は、「豪州国内物流事業」の不振が主な原因。「国際フォワーディング事業」の損益も赤字となった。

経営改善策の方向性を「競争に勝つための土台固め」、「コスト削減・見直し」、「差別化」、「シナジー」、「選択と集中」のステップで改善。

それぞれ、「One Tollの実現に向けた組織体制の見直し」、「広範なコスト削減を推進」、「顧客中心主義、サービス品質の向上、差別化」、「一体となった営業力の醸成」、「重点地域・事業への集中と不採算事業からの撤退」をコンテンツとして行う。

経営改善策の人員削減面では、2017年1月から3月末までに管理職等を対象とした300人超の人員削減を実施済みとし、さらに、2017年度中に1700人超の人員削減を実施予定。

今後の事業展開では、トール社=グループ中核企業という位置付けに変更なしとしている。

トール社は、主要地域(豪州、シンガポール)と業界(例: エネルギー、小売、工業)での地位の確立、成長性の高い地域(アジアや米国)に経営資源を集中、成長性の高い分野(例: 製薬、農業)への進出、コスト競争力の確保を目指す。

JPは既存のトール社のマーケットにおける日本企業の利用促進、日本市場の利用機会(例, 国際フォワーディング)、JPのB2Cのノウハウの活用などを目指す。

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