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日本船主協会/スエズ運河通航料は減少続く

2017年09月28日/調査・統計

日本船主協会は9月27日、毎年会員各社の運航船舶(外国用船を含む)について、パナマ・スエズ両運河に係る通航実績調査結果を公表した。

調査の結果、協会会員会社の運河通航料支払額は、パナマ運河については通航隻数は減少したものの、新閘門の開通によりこれまで実績のなかった大型(ネオパナマックス)コンテナ船が通航したこと等の影響により前年比約2.7%増(米ドルベース)となった。

スエズ運河は、通航隻数が微減、トン数は微増したが、通航料割引制度等の効果によって運河通航料支払額は約6.4%減(米ドルベース)となった。

通航実績では、パナマ運河の利用状況は、2016年6月に運用を開始した新閘門、旧閘門合わせた通航船社数が前年度比1社減の17社となり、利用隻数(延べ)については56隻減の1104隻となった。G/Tベース・D/Wベースではそれぞれ5520万3000G/Tとなった。

通航料支払実績(確認分)では、コンテナ船、LPG/LNG船以外の料率の基本となる通航船舶トン数(PC/UMS:PanamaCanal/UniversalMeasurementSystem)ベースでは2741万3000トンとなり、コンテナ船のベースとなるTEUは160万3000TEUとなった。また、LPG/LNGのベースとなる立方メートル(M3)は184万2000M3となった。

この結果、全体の通航料は前年(2億9552万5000米ドル、概算値含む)比約2.7%増の3億347万8000米ドルとなった。

船種別内訳(2016.4.1~2017.3.31)では、自動車専用船が2015年の446隻から350隻(約21.5%減)に大きく減少した。それに伴い、通航料も約21%減少し、2015年の1億2073万9000米ドルに対し今年度は9544万2000米ドル。

また、バルクキャリアーも延隻数、通航料ともに11.7%減(2016年:293隻/39,92万6000ドル・2015年:332隻/4521万8000米ドル)となった。

拡張パナマ運河の開通により大型船の通航が可能となり、2016年度はLPG船が68隻通航した。ケミカルタンカーの延隻数も新旧閘門合計で2015年の59隻から80隻(約35.6%増)へ増加し、通航料も624万9000米ドルから978万5米ドル(約56.6%)増加した。

概算値を含むため単純比較は難しいが、通航料(全体)については、隻数減少にもかかわらず、微増する結果となった。これは、主として新閘門開通による通航船舶大型化の影響が大きいものとみられる。

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