JA全農やまなしと富士急行は8月29日、高速バスを活用した農産品などの貨客混載事業「産地直送あいのり便」を開始した。
当日は、出発式でバスに農産品の入った専用BOXを積み込む様子が公開され、関係者が多数参加した。
同事業はJA全農やまなしが運営する農産物直売所「たべるJA(じゃ)んやまなし」が集荷した山梨県の朝どれ野菜や果物、加工品、都内で流通していない品種の農産品を富士急山梨バスが運行する高速バスの新宿方面行き車両のトランクスペースを活用して、定期的に都内の消費者に新鮮なまま届け、山梨県産農産物へのファン拡大を図る。
第一弾となる今回は、富士急山梨バスの甲府営業所上阿原車庫で保冷機能付きの輸送専用BOXに農産品の入った段ボール箱を積み込み、中央高速バス「甲府新宿線」の9時35分上阿原車庫発(バスタ新宿12時10分着)と11時45分甲府駅発(バスタ新宿13時55分着)の2便で合計12箱(各便6箱)を輸送した。
輸送した農産品は、新宿タカシマヤ2階の特設会場で8月31日まで開催中(各日正午~午後6時まで)の「富士急行タイアップ 産地直送バスあいのりマルシェfromやまなし」で販売。
店頭には山梨県産のシャインマスカットや巨峰、ピオーネ、ナス、きゅうり、トマトなどが並び、その日に収穫された新鮮な農産品を求める買い物客で賑わった。
高島屋の担当者は「初日(29日)の売上は30万円。新鮮な産地直送品や高速バスを用いた輸送に対して、想定以上の興味・関心が寄せられた。新宿タカシマヤはバスタ新宿に隣接し、高速バスでの貨客混載輸送と相性が良い立地。
今後は貨客混載輸送による新しい物流や商流、新鮮な産地直送品の強みを生かした催しについて、共催企業とさまざまな方法を模索していきたい」と語った。
今後の同便の運行予定は未定だが、JA全農やまなしでは直販イベント開催の機会を増やすとともに、新宿や東京駅など都心部を中心に小売店や飲食店への販路を随時開拓し、事業の拡大を図っていく方針だ。