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物流最前線/次世代型自動搬送ロボットメーカー、グレイオレンジ

2018年11月14日/物流最前線

自動搬送ロボットの普及は始まったばかり。日本に拠点を設け本格展開始める

―― バトラーは自動搬送ロボットとして日本でも有名になっていますが、メーカーとしてのグレイオレンジ社とは。

アドバニ インド発のロボットベンチャーとして2011年に設立された企業で、倉庫や物流センターなどに次世代型自動搬送ロボットを設計・製造・展開する多国籍テクノロジー企業です。本社をシンガポールに置き、日本、米国、ドイツ、インドにオフィスを構え、インドのグルガオンに最先端の研究開発センターを置いています。

―― どのような製品を展開していますか。

アドバニ 日本でも知られている自動搬送ロボット「バトラー」と「Sorter(ソーター)」(高速仕分けシステム)が中心製品です。「バトラー」は物流センターの床面を移動するロボットが可搬式の棚の下に潜り込み、作業者の元に棚ごと商品を届けることで、センター内の省人化を実現する画期的な物流ロボットシステムです。「ソーター」は、荷物に貼り付けられたバーコードを読み取り、商品種別や発送方法別に自動で仕分け作業を行うものです。

―― インドでは高いシェアを持っていると聞きました。

アドバニ 「ソーター」はインド市場では9割のシェアを持つNo.1企業となっています。インドNo.1EC企業のフリップカート社や、DTDC社、デリーを拠点にする配送会社のデリバリー社、ユニリーバ社も導入しています。現在のところ、サイト数(現場数)では、約50サイト、企業数で約30社となっています。また、「バトラー」の導入サイト数は3サイトです。

―― 日本市場への進出は。

アドバニ 2016年7月に正式に参入を発表しました。そのときはGROUND社の宮田社長に協力いただき、代理店として日本市場に参入しました。これまで、物流経験の豊富な宮田社長とパートナーを組むことで、スムーズに日本市場で展開することができました。しかし、メーカーとして、直接日本市場のニーズを随時つかんでいくことが大切なことと、代理店だけにすべてを任せるのはメーカーとしての責任を放棄するものです。市場のニーズをいち早く汲み上げ、ハードとソフトウェア開発に活かしていきたいと考えています。そういうことから、グレイオレンジの拠点として日本法人を立ち上げることになったのです。当然、GROUND社の代理店としてのパートナーに変わりはありませんし、今後も協力していくつもりです。

―― 日本市場の位置づけは。

アドバニ 日本市場はとても大切です。その理由はたくさんありますが、1つは自動化を好意的に認めてくれる市場だからです。それに関連して2つ目が日本では人手不足が深刻なことがあります。例えば、オーストラリアでは物流倉庫に人が集まらない場合、人件費を上げ、時給25ドルほどで雇用したりしていますが、それだと都市のサラリーマンは在籍している企業を辞めて集まってきます。当然サラリーの良い職種に集まってきますよね。日本では、今のところそういった発想はなく、自動化することにとても熱心です。さらに、女性の働く環境が整備されだしてきたのも大きいですね。先進的大型物流施設では、このところ女性の働きやすい環境が作られています。その環境の中で、自動化が新たな価値を生み出してくると思っています。

<倉庫内で稼働する自動搬送ロボットバトラー>
20181107grayorange4 500x334 - 物流最前線/次世代型自動搬送ロボットメーカー、グレイオレンジ

<バトラーのPick pal(ピックパル)システム>
20181107grayorange5 500x375 - 物流最前線/次世代型自動搬送ロボットメーカー、グレイオレンジ

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