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物流最前線/次世代型自動搬送ロボットメーカー、グレイオレンジ

2018年11月14日/物流最前線

米国進出で大きな成果を得る。XPO社が5000台のバトラー導入

―― 米国にも進出しました。

アドバニ 米国での反応はとても良いですね。ソフトウェアに対する評価が高く、バトラーの強みが出てくる市場です。今年の10月3日には、輸送と物流ソリューションの世界的プロバイダーであるXPO社が、5000台の「バトラー」を北米、英国、ヨーロッパ8か国に導入すると発表しています。1サイト最大で400台を導入して、制御・稼働させるわけですが、これができるのは「バトラー」しかありません。

―― 市場にはさまざまな自動搬送ロボットが登場していますが。

アドバニ 他の同様の自動搬送ロボットでは、400台を稼働させるとなると、制御できないんですね。他のモデルは大体60台程度が限度だと思います。400台となると、棚の数も非常に多くなりますし、棚間のコンソリデ―ション(整理統合)もしなければなりません。そこで物を言うのは、ソフトウェアの技術力です。

―― ハードウェアの問題ではないと。

アドバニ 当然、ハードウェアも重要ですが、決定的に重要なのがソフトウェアの良し悪しです。最後には、ソフトウェアの性能が価値を決めます。例えが適切かどうかわかりませんが、携帯電話機器では、以前は日本のメーカーがたくさん携帯電話を発売していました。しかし、今はiPhoneが携帯電話市場を席捲しており、日本のメーカーがハードウェアにこだわりすぎた感が強いと思います。アプリケーション開発で後れを取ったように感じます。

―― バトラーを動かしているソフトウェアとは。

アドバニ 「Grey Matter(グレイマター)」(決定科学駆動型ソフトウェアプラットフォーム)というソフトウェアです。これはAI(人工知能)とML(機械学習)を活用して大規模で複雑な業務を最適化し、変化するビジネスに適応しており、バトラーシステム開発で、一番苦労したのがこのソフトウェア開発でした。ソフトウェアのアルゴリズムを変えるだけで、効率性は大きく変化します。

―― ソフトウェアだと定期的にバージョンアップを図りますね。

アドバニ 当然です。グレイマターは3~4か月に一度バージョンアップを実施します。従来のマテハン業界では、バージョンアップは2年に1回程度といわれています。ですので、AS/RS(自動倉庫)は、ほとんど変わっていません。30年間大きな変化がありません。これでよいのか、となった時、やはりバージョンアップは大切で、新しい発想の芽になるものだと思います。我々が目指しているのは、倉庫のピッキング作業の自動化のプラットフォームなのです。「バトラー」はその一つのハードウェアに過ぎません。全体をつかさどるのが「グレイマター」というソフトウェアなのです。そして、グレイオレンジはテクノロジーファーストの会社なのです。

<新しいことに挑戦するのがミッションと語るアドバニ アジアパシフィック&ジャパンCEO>
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