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JPR/在庫ひっ迫でパレット供給制限、国や物流業界の協力必要

2019年04月26日/SCM・経営

日本パレットレンタル(JPR)は4月26日、東京の本社で会見を開き、ゴールデンウィークを前にパレットの在庫がひっ迫し、レンタルパレットの供給を制限している状況にあると発表した。

<物流業界の人手不足対策などでパレット輸送が拡大>
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<需要推移>
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<新規調達枚数推移>
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物流業界の人手不足対策やホワイト物流の推進に向けてパレット輸送が拡大していることで、JPRのプラスチックパレットへの需要は前年比108~109%で推移。

これを踏まえて、JPRではパレットの新規調達を拡充するとともに、需要予測にも余裕を持たせ、需要を前年比110%、回収量を同107%と見ていたが、例年にない大型連休を控えて顧客の小売業や卸売業の在庫量が増加した影響で、実際には需要が前年比115%と予測を上回り、同時に回収量が同104%と下回った結果、需給バランスが大きく乖離し、供給が追い付かない状態に陥った。

これを受けて、JPRは全顧客に対してパレットの出荷枚数を一律30%減じる要望を4月25日に社長名義の書面で通知したほか、新規の取引についても現状で中止。

空きパレットの回収強化や、パレットデポ間での在庫調整に加え、海外の関係会社が米・中・韓に保有するパレットの代替利用や、ワコーパレット、日本パレットプール、日建リース工業などへのパレットの調達要請によって足元での供給量確保に取り組み、問題の早期改善を目指している。

しかし、2019年下半期もパレット輸送の促進に加えて、夏季や10月の増税前、年末年始などの季節波動が予測されることから、JPRでは少なくとも2019年度中はパレット不足による出荷制限が続くと見込んでおり、安定供給に向けた中長期的な対応として、回収業者増によるパレットの回収強化や、パレット調達先の海外への拡大、パレット素材や管理ソリューションの研究開発の拡充を進める方針だ。

<加納尚美社長>
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日本パレットレンタルの加納尚美社長は、「パレットが切れると物流が止まってしまうため、今回の問題はJPRのみに留まらず、日本の物流の根幹を揺るがす大きな問題だと認識している。現状で出来る限りの力を振り絞り、全社一丸となってこの難局を乗り越えようとしているが、如何せん1社だけではどうにもならない。自社で可能な限りの対応を取った上で、関係会社や同業他社、物流業界に協力を仰ぐとともに、国にもパレットがいかに物流の下支えをしているかを訴えていき、全体での問題解決を目指していかなければならない」と、コメントした。

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