サンゲツは7月23日、物流の2024年問題に対応する新たなユニットロードシステムを導入し、サプライチェーン効率化とドライバーの負担軽減を実現したと発表した。
<ユニットロードシステム導入イメージ>
サンゲツが内装材の主力商品として取り扱う壁紙は、調達先のメーカーから約50mの巻き物状の荷姿で入荷される。
長辺は約90㎝、重量は約20kgに及び、従来、トラックへの積み込みと自社ロジスティクスセンター(LC)での積み降ろしは、ドライバーが一本ずつ「バラ積み・バラ降ろし」が行っていた。
巻き物状の壁紙を、輸送時には縦積み、入庫時には横積みにするなど、人力での作業負荷も高い状況だったという。
こうした物流課題と2024年問題への対応として、2024年6月に経済産業省が主導する「物流効率化に向けた先進的な実証事業」に参画。調達先からの輸送、庫内荷受け、搬送、格納までを一気通貫でカバーするユニットロードシステムを導入した。
<「Vパレ」を活用した縦積み、横積みのイメージ>
<壁紙の入庫の様子>
ユニットロードシステムは、回転式パレット「Vパレ」と回転フォークリフトを組み合わせることで、スピーディかつ効率的な「パレット積み・パレット降ろし」を実現するもの。
ドライバーの負担を大幅に軽減し、トラック積み込み・積み降ろしにかかる作業時間を約87.5%短縮(約240分から約30分に削減)することに成功した。
なおシステムのコア技術である回転式パレット「Vパレ」の構造については、3件の特許を取得している。2つの底面にフォークリフトのフォーク挿入孔を備えた設計となっており、ロジスティクス部門の社員が「搬送時と保管時における商品の積み方を変えられるパレット構造」というアイデアを考案したことが、導入のきっかけとなったという。
システムは現在、全国8か所のLCのうち、旗艦拠点である北関東LC(埼玉県久喜市)と中部LC(愛知県稲沢市)で導入を進めており、今後は全国のLCへの拡大を目指す。