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業務止めずに「ニッポン上げろ!」
地盤沈下防ぐアップコン工法

2021年03月01日/物流最前線

コロナ禍の中、受注案件が延期に

――  さて、2021年となり、2度目の非常事態宣言があるなど、新型コロナウイルスの影響が続いています。

松藤  そうですね。昨年4月ごろの非常事態宣言の時は2か月の自宅待機を行いました。新入社員は本当にかわいそうでした。会社になじむ間もなく自宅待機でしたからね。今回の非常事態宣言では、徹底的な感染防止策を行って、出社も原則的に許可しています。特に、営業や経理部門、技術部門は本社に重要かつ必要な資料で、持ち出し禁止のものも多く、そうなると業務に支障をきたしてしまいます。ですので、なるべく代休、有休を使って消化しつつ、なるべく出社しないようにしてくださいというお願いにとどめています。現在約50名弱の社員が在籍していますが、今の所感染者はゼロです。

――  経営面での影響も相当あったと思いますが。

松藤  確かに影響はありました。営業の人間は「来ないでください」と言われない限り、訪問し現場の状況を見たり聞いたりしなければなりません。先週も四国の顧客からの依頼があり担当の営業が訪問しました。1~2週間前まではステージ4の県からの来訪は控えてくださいという連絡があり延期となっていたのです。施工日が決まっていた北陸の県の顧客からも、県外の企業の訪問を控えてほしい旨の通達が県からあったそうです。他の地域でも同様のことが起きています。すべて延期という形となっていました。

――  それでは経営的に厳しかったのでは。

松藤  大変な時期でしたが、おかげさまで売り上げ的には過去2番目の数字となり、利益率では過去1番の数字を残しました。実は今日、1月29日が第18期の最後の日で、2月1日から第19期に入ります。

――  業績が良かった要因とは。

松藤  弊社は民間と公共の2つのセグメントを持っています。これまでは、民間が70%程度を占めており、今後公共部分を強化していこうと努力していました。その公共部分の需要が拡大し、今期は45%まで達しました。一気に増えましたね。国や地方公共団体からの依頼が多かったのは、これは、国が景気の悪いときは公共投資で景気を上向かせている政策の一環だと見ています。

――  公共部門とは。

松藤  民間部門とは、工場や倉庫、店舗、住宅といったものですが、公共部門とは道路や学校といった公共インフラや施設としています。道路は大部分が高速道路の補修です。高速道路では負荷がかかる部分、例えば料金所や橋梁部にはコンクリート舗装板が多く使用されており、バタつきや沈下といった変状が発生したところを補修しており、近年需要が伸びている分野です。民間と公共の割合は、将来的には50対50にして安定的な成長を図っていきたいと考えています。

床の傾きの多少に関わらずまずは相談

――  社長のこれまでのお話から、湾岸近辺にある古い倉庫などは傾きを調査したほうが良いですね。

松藤  最近の近代的大型倉庫などはきちんと杭を打って作られているので大丈夫です。中でも日通さんの倉庫は古いものから新しいものまで自社物件の倉庫は徹底していますね。ここまでやるか、というくらい杭を打ち込んでいます。弊社の出番はないでしょう。しかし、古い倉庫の中には、杭を打っていないものが多く、ゆくゆくは建て替えを迫られるものも多いと思います。しかし、ある倉庫事業者さんから聞いたのですが、「倉庫は器、器にはなるべくお金をかけず、長く使って初めて利益がでる」とのことでした。そのため床が沈下し、でこぼこになっても、営業を止めるわけにはいかないわけです。そこでアップコン工法を説明すると非常に喜ばれましたね。

――  建て替えともなると莫大な資金が必要になりますからね。その間は営業できないわけですから、売り上げも当然落ちます。

松藤  床を修復することで、後10年しか持たないものを20年使うことができればそれは企業にとっても良いことでしょう。我々の仕事は時間を買っていただいているとも言えますね。古い倉庫や突貫工事で作った倉庫は一度床面の傾きを調べられたほうが良いと思います。病気と一緒で早めの発見で、早めの処置がコスト的にも安上がりになりますし、従業員の健康や安全面でも効果的です。

――  ところでインパクトの強い「ニッポン上げろ!」のスローガンと社名のアップコンとは。

松藤  社名はコンクリートをアップするということで、そのままです。当初スローガンにしていた「ニッポン上げろ!」は、床を上げるとともに、日本の景気も上げようじゃないかという想いで作ったものです。今は、川崎フロンターレのスポンサーも務めていることから、世界に向けたこちらのUPCをエンブレムで囲ったマークを使っています。

――  最後になりますが、LNEWS読者にメッセージをお願いいたします。

松藤  弊社では多数の建物のコンクリート床の傾きを修正してきた実績をもっています。もし、古い倉庫で床の沈下を感じられるようならば、傾きの多少にかかわらず、まずは相談して欲しいと思っています。業務を止めずに、部分的に直すなど、ご提案をさせていただきますので、安心してご相談ください。担当者がちょっと珍しい名刺をもって訪問させていただきます。

<アップコンの工法紹介>

<松藤社長>
20210215upcon11 520x347 - 物流最前線/業務止めずに「ニッポン上げろ!」 地盤沈下防ぐアップコン工法

■プロフィール
アップコン 代表取締役社長CEO
松藤 展和(まつどう のぶかず)
生年月日 1958年5月11日
学歴
1985年  武蔵工業大学(現東京都市大学)建築学科卒業
1988年  プラットインスティテュート大学院(ニューヨーク)
      インテリアデザイン学科卒業
職歴
1989年  オーストラリア・シドニーの大手建築設計事務所に勤務
      日本担当部長として新規事業開発を手掛ける
1998年  設計施工一貫請負の会社をシドニー設立
2000年  特殊樹脂を使用する地盤沈下修正工法を知り、工法を習得
2001年  同工法を用いた外資系土木会社の日本法人を設立
      代表として九州で事業を展開
2003年  4月 独自に研究を重ね、完全ノンフロン材を用いた小型機械による
      新工法「アップコン工法」を考案開発
      6月 アップコン有限会社(現アップコン株式会社)を設立
      現在に至る

■アップコンのWebサイト
http://www.upcon.co.jp/

■2021国際物流総合展に出展します。
会期:2021年3月9日(火)~12日(金) 場所: Aichi Sky Expo (愛知国際展示場) 10:00~17:00
アップコンブース:Hall D 614  会期中ブースではウレタン樹脂を使用したデモンストレーションを実施しています。

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