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「退路を断ち 前進する業務改革」
基盤施設の再構築を図る

2022年01月05日/物流最前線

20211220fukutsu1icatch 520x293 - 物流最前線/新春トップインタビュー 福山通運 小丸成洋 社長

広島県福山市に本社を置く福山通運のネットワークは日本全国に広がる。専用ブロックトレイン「福山レールエクスプレス号」の運行や「25mダブル連結トラック」の導入など、特に、ドライバー不足への対応では、先駆的な取り組みが目立つ。一方で同社は、公益財団法人渋谷育英会や公益財団法人小丸交通財団による社会福祉活動にも熱心に取り組む。コロナ禍の今、「まだまだ以前の状態には戻っていないが、このような時こそ事業拡大のチャンス。さまざまな改革を推し進めていく」と語るのは、元NHK経営委員長の経験もあり在福山リトアニア共和国名誉総領事、交通心理学の研究家など多彩な顔を持つ小丸成洋社長だ。今後の物流事業の在り様を伺った。
取材:11月29日 於:福山通運営業本部

                          
<小丸成洋社長>
20211220fukutsu2 520x347 - 物流最前線/新春トップインタビュー 福山通運 小丸成洋 社長

<東京にある福山通運営業本部>
20211220fukutsu3 520x347 - 物流最前線/新春トップインタビュー 福山通運 小丸成洋 社長

コロナ禍で経営の課題が見えてきた

――  この2年コロナ禍が続き、御社も相当苦労されたのではないかと思いますが、経営的にはいかがでしたか。

小丸  2022年3月期第2四半期の決算では、売り上げ、利益ともに前年同期比を上回りました。ただ、前期が減収減益でしたから手放しでは喜べません。また、2019年のレベルには回復していませんし、依然として厳しい環境下であることは確かですね。

――  御社の感染者の状況はいかがでしたか。

小丸  残念ですが当社でも感染者が出ました。地域によって異なりますが、やはりワクチン接種を早く打った地域ほど少なかったですね。今は落ち着いていますが、また、新しい種類が出てきたので心配しているところです。

――  御社はワクチンの職域接種を行ったり、接種済みの人に接種済みバッジを配るなどを行いました。

小丸  職域接種は福山と東京でそれぞれ1000人ずつ行いました。職域接種は結構難しく、注射を打てる人の確保や、ワクチンを余ることなく接種しなければならず、当日のキャンセルには予備の人も用意しておかなければならない。今となっては遅いのですが、もっと多くの地域で職域接種をしていたらと思っています。接種済みバッジについては、国内でワクチン接種率が上がれば良いと考えていたので、社内的にも顧客向けにもアピールすることになると考えて採用しました。

――  現在、感染率は急激に下がっていますが、オミクロン株の登場で先行きが見えない中で、今後経営のかじ取りをしなければなりませんね。

小丸  本来は、状況が良い時に業務の改革をしなければなりません。悪くなると焦りから判断力が低下しますから、良い時に問題点を片付けていくことが必要です。これは誰でも分かっていることですけど、なかなか出来ないことです。しかし、このコロナ禍にあって、さまざまな課題が浮かび上がってきました。課題が十分認識できたということです。ある意味、コロナ禍により、業務改革に取り組まざるを得なくなったことは、一つの収穫だったと思っています。
当社では、毎年、年初に経営課題というのか、最優先すべき経営課題についてスローガンを掲げ取り組んでいますが、今年は『退路を断ち 前進する業務改革』としました。つまり、業務改革に当たっては、自分自身「退路を断つ」といった強い意志のもとで取り組んでいきます。コロナ禍の影響は、意思決定の少しの停滞も許さない経営環境になっている、ということの裏返しかも知れませんね。

――  この間の業務改革とはどのようなものですか。

小丸  まず、自前主義を打ち出しました。外注費がこれまで数多くの部署で発生していましたが、これを自社で運営するということです。管理面ではやはり大変になりますが、アウトソーシングというのは、どうしてもコスト増になりがちです。外注費をカットするために、業務内容の見直しを図ったことで、第2四半期の決算では増収増益になりました。これは大きかったですね。

――  外注費にはどのようなものがあったのですか。

小丸  一般的なアウトソーシングをはじめ、集配業務の業者への依頼、また人材派遣業への依頼等さまざまです。アウトソーシングがもてはやされた時期がありましたが、アウトソーシング事業をやってる企業も事業者ですからね。限られた収益を分配しなければなりませんし、やはり自分たちの物流事業は自分たちで管理すべきなのです。当社の創業者の渋谷昇名誉会長や小丸法之会長がいたら、外注費なんて言ったら怒鳴られていたかも知れません(笑い)。まさに創業者が大切にしてきた「合理性の追求」「ムダの排除」といった経営の原理・原則とともに、会長だった小丸法之が好んで使った言葉「耐えて 和して 前進」の心境ですね。このコロナ禍において、創業の精神に戻れということを改めて気付かせてくれたものと思います。

<職域接種の様子>
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<接種済みバッジ>
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