夢が共通、人縁良好の福田さん
丸和運輸機関の和佐見勝社長はまさに、「仙台長町未来共創センター」プロジェクトのキーパーソンの一人だ。福田社長とは旧知の友人で、福田社長の弁を借りると「本当にお世話になった方」ということになる。和佐見社長に福田社長の何が今回のプロジェクトを成功に導いたのか話を聞いた。(竣工時のインタビュー)
―― 福田さんとの関係はいつごろから。
和佐見 昔、F&Pが設計やプロジェクトマネジメントをした三菱食品の物流センターや生協のセンターで、当社が庫内オペレーションや配送をおこなっているという縁がいくつもありましたが、2人で向き合って話すことはありませんでした。元々、福田さんは物流センターを作る設計事務所の代表として評判の高い人でしたから、じっくり話をしたいと思っていました。2015年頃でしたか、福田さんはアマゾンさんの物流施設を作るということで、私どももアマゾンさんの仕事をしていたものですから、当時のジェフ・ハヤシダ社長からの紹介ということで、2人で会ってじっくり話す機会に恵まれたと記憶しています。
―― 第一印象はいかがでしたか。
和佐見 設計士というか建設業界で若い時鍛えていただけに、営業力が素晴らしいと感じました。営業力は積極的な活動をしないと、身に付かないものですからね。話を聞くと、とても人脈が豊富で、ヒューマンネットワークというか、その能力がとても高い方です。私と共通する人たちも多く、そういうことから人間的にもお互いをパートナーとしてやっていきたいと考えるようになったわけです。私の方が年齢は少し上なのですが、年齢は関係なく、信頼できる友人として、よく食事をして、夢を語りあっていました。
―― 夢を語り合う中で、今回のプロジェクトも話題に。
和佐見 そうそう。BCPの活動を私はこれまで、阪神大震災、東北大震災、熊本大地震等で社会貢献活動を続けてきました。その話をすると、福田さんは驚かれて、事業的にやった方が良いのでは、と話していました。我々もすでに事業化は進めており、東北大学の丸谷教授に我々の諮問機関の委員長を務めてもらい、AZ-COM丸和支援ネットワークを作っていました。
―― 和佐見社長が先駆的な取組をしていたわけですね。
和佐見 ですから、阪神大震災や東北大震災での話をしていると、福田さんも私と同様の考え、思いを持っていることがわかりました。実際に現地で活動されていた共通項もありました。そこで、福田さんは自分が設計事務所の経営者ですから、東日本大震災の経験から地域に役立つ防災型ビルを作りたいという「想い」を話されました。
―― 両者の思いが合致したということですね。
和佐見 そういうことです。そこで早速、丸谷教授を紹介したわけです。
―― 御社は今回、このビルの3階に入居されますね。
和佐見 東北丸和ロジスティクスの管理棟という形で入ります。すぐ近くにある大和ハウスの物流センターの1階にも入居していますから、非常に便利ですね。
―― 竣工式の記者会見では4者の協定も発表されました。
和佐見 今日は仙台市の郡市長も参加されましたね。中央からの注目度も高くて、人脈も豊富な方だと聞いています。行政の長が参加するのは、中々大変なのですが、4者協定を結べたというのは、まさに福田さんの熱意の賜物でしょう。直接、郡市長に会って、考え方を説明されていましたからね。さらに、丸谷教授からの指導もあり、行政側としてもありがたい話という形にしないとまとまってなかったと思います。まさに地域に貢献するという部分ですね。私は丸谷教授を本当に信頼していますし、その丸谷教授に福田さんを紹介して、今度は丸谷教授から本当に良い人を紹介してくれたとおっしゃってもらえました。
―― やはりここでも縁ですね。
和佐見 ビジネスはやはり人脈です。縁を大切にするからこそ、人脈もできる。人との出会い、これは縁を良好にする「人縁良好」ということです。ビジネスに限らず、社会生活は信頼関係で成り立っていますので、信頼できないと何事も成就しないと思います。福田さんと、共通する夢を持っていることは本当に友人として幸せですね。